広瀬めぐみ元参院議員(自民を離党)の辞職に伴う10月27日投開票の参院岩手選挙区補選で、候補擁立を見送る方針を明らかにした自民党岩手県連。9月の総裁選後、早期の衆議院解散・総選挙が行われるという見方も浮上する中、一連の不祥事に対する有権者の見方は厳しく、先行きには暗雲が垂れこめている。
「過去にないぐらい非常に厳しい」
24日に非公開で開かれた県連総務会後、取材に応じた会長代理の岩崎友一県議は険しい表情を浮かべながら、有権者の反応について、そう語った。
広瀬氏は2022年の参院選で自民党候補として30年ぶりに当選した。しかし、今年7月、公設秘書の給与を国からだまし取った疑いで議員会館や自宅などが東京地検特捜部の家宅捜索を受けた。8月15日、「事務所の経費捻出のため、秘書給与から資金提供を受けたことは事実」と認める声明を出し、議員辞職した。
23年にはパリ・エッフェル塔前で、ポーズを取った写真が「観光旅行」などと批判を受けた党女性局の研修に参加。今年3月には週刊誌による不倫報道を受け、謝罪していた。
「けじめをつける」(臼沢勉・県連幹事長)として参院補選での候補擁立見送りを決める過程では、内部に「衆院選に全力投球すべきだ」という声もあった。自民党総裁選後に新首相が衆議院解散に踏み切るという観測が浮上していることを踏まえたものだった。
ただ、醜聞の数々に対する有権者の反応は厳しい。県連関係者の一人は「おわびをして歩いているが、それで済む問題ではない。(影響は)残る」と話す。
参院補選の候補擁立見送りによる衆院選への影響について問われた岩崎氏は「影響が出るかはやってみなければ分からないが、失った信頼回復のために日々地に足をつけた活動をしたい」と述べるのが精いっぱいだった。【釣田祐喜】
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