「懲戒処分で自分への批判の風向きが変わる」。
兵庫県知事のパワハラ疑惑などをめぐり、斎藤知事が疑惑を告発した元局長の処分を、早期に検討するよう指示していたことがわかりました。
■「調査を待たずに処分できないか」と人事当局に打診あったとの証言も これまでの対応は「問題ない」と斎藤知事
【兵庫県 斎藤元彦知事】「（処分については）適切なプロセスを、内容も含めてやってきたものだと、県としての対応なので、問題ないと考えています」
26日朝も兵庫県の斎藤知事は、パワハラ疑惑を告発した元幹部職員の懲戒処分について、「問題ない」と言い切りました。
元西播磨県民局長は、斎藤知事のパワハラ疑惑などを報道機関や県の公益通報窓口に通報しましたが、県は「事実無根」として、元局長を懲戒処分しました。
しかし先週、疑惑を調査する百条委員会が、処分に関わった職員を証人として尋問したところ、新たな事実が明らかに…。
【百条委 奥谷謙一委員長】「部下(職員)から『公益通報の結果が出るまでは、処分しないほうがいいのでは』と進言があったことが証言で判明しました」
公益通報者保護法では、告発者に処分を下すことが禁止されていて、知事や幹部に対して、「処分は公益通報の調査を待つべき」と進言があったことが判明。
さらに関係者への取材で、斎藤知事が幹部を通じて、「調査を待たずに処分できないか」と、人事当局に打診していたとの証言があったこともわかりました。
「『懲戒処分で自分への批判の風向きが変わる』と知事が言っていると聞いた」という証言もあったというのです。
(Q.処分を急いだ理由が「批判の風向きを変えたいと言った」との証言もあるが？)
【兵庫県 斎藤元彦知事】「そういう覚えはないです」
(Q.公益通報の調査結果を待たずして、処分を指示したのか？)
【兵庫県 斎藤元彦知事】「今ここで取材にすぐ答えるのが適切なのか。百条委員会や第三者委員会の調査の中でお答えするのがいいと考えてます」
一連の対応は適切だったのか。知事への証人尋問は30日金曜日に行われます。
■「為政者としての資質が厳しく問われている」
「公益通報の結果が出るまでは、処分しない方がいい」という進言があったにも関わらず、知事は早く処分するように指示を出したという証言があったということが明らかになりました。
【共同通信社編集員 太田昌克さん】「証言をした部下の方も、場合によっては偽証の罪に問われかねない百条委員会の場ですから、ある意味覚悟を持って、公務員として命がけで証言していると私は考えたいです。
『公益通報制度がありますよ』、すなわち『適正で合理的な、公正さを担保するプロセスがありますよ』という進言までされている。
それを飛ばしちゃうことっていうのは、『あなたがやろうとしている処分の公正さが問われますよ』という、至極まっとうなことをこの部下は、言っているんです。
斎藤知事は県庁のトップであるし、県民の命・安全を預かる立場です。私は為政者としての資質が厳しく問われている、そういう証言だと思います」
（関西テレビ「newsランナー」2024年8月26日放送）
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