自民党で唯一、派閥を解消しなかった麻生派。麻生太郎副総裁が27日、所属する河野太郎デジタル大臣を総裁選で支持すると表明しました。“派閥なき総裁選”と言われるなかで、この支持はプラスとなるのか、マイナスとなるのか。


■「同じ釜の飯を食ってきた」

自民党の夏の風物詩だった派閥の研修会を開くのは、今や麻生派だけです。

麻生太郎副総裁
「今年も恒例の志公会(麻生派)の夏季研修会を開催。皆さん方のお力添えに心から感謝を申し上げます」

派閥の夏季研修会は永田町を離れて仲間が集まり、ゴルフなどを通じて結束を固める格好の機会。その後に控える党人事や内閣改造を見据えて存在感をアピールし、派閥領袖が総裁選で支持する候補を表明するなど、党内政局の舞台にもなってきました。そして今回も…。

麻生太郎副総裁
「河野太郎氏が出馬表明を行っております。見た人も多いと思うが、3年前に比べて出来が良かったな。そう思わなかったか?志公会で育ち、同じ釜の飯を食って育ってきた河野太郎を同志としてしっかり応援していきたい」

派閥として、麻生派に所属する河野太郎デジタル大臣を原則支援する考えを表明しました。一方、他候補の支援も容認する考えです。

麻生太郎副総裁
「こういう大会を開いて“一致結束箱弁当”みたいに縛り上げるつもりは全くありません」

自民・中堅議員(麻生派)「今回は間違いなく決選投票になるでしょ。その中でどう勝ち筋を見つけるかが、まさにこれからの話」

麻生派の議員によると、2回目の決選投票で派閥としてまとまって行動する方針だといいます。

そもそも麻生派は河野氏の父・洋平氏が設立した河野グループが源流です。2人にとって特別な意味を持ちます。

麻生派 河野太郎デジタル大臣
「志公会という政策グループもあれば、神奈川県連の会もあれば、色んな集まりがあるわけで。派閥から人事と金がなくなった以上、そういう風になっていかなければいけないのかなと」

ただ、裏金事件を受けて麻生派以外の派閥が解散を決めたことで、国会議員約380人うち、8割以上が事実上の無派閥となっています。無派閥議員の票の行方が勝敗を左右するとみられているのです。

二階派出身 若林洋平参院議員
「それぞれの個人の責任というか、考え方の責任が非常に色濃く出るので、本来の姿ではあるのかなと」

そうしたなか、派閥に所属している候補予定者は河野氏だけ。派閥の支援は諸刃の剣になりかねません。


■元推薦人「今回はご一緒できない」

前回の総裁選で河野氏の推薦人に名を連ねた平衆院議員。今回も河野氏を支持するつもりでしたが…。

無派閥 平将明衆院議員
「今回、河野さんと一緒にできないのは残念。この際に自民党全ての派閥を解消すべき。更地にして新たな自民党を作っていくことが重要。麻生派に軸足を置いて支援の輪を広げていく戦略だと思うが、それは私とは考え方が違うので」

早速、各陣営からアプローチが相次いでいるといいます。

無派閥 平将明衆院議員
「(Q.1日にどれくらい着信があるか)大体10件から15件。出馬表明をされる方から『一緒にやらないか』との連絡が多い」

麻生氏も河野氏に、こう注文を付けました。

麻生太郎副総裁
「河野先生には志公会(麻生派)以外からも、ぜひ多くの支援者を集める。そういった努力をしてもらわないといかん」

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