都議会の政務活動費は、議員1人当たり月額50万円が各会派に交付されていて、29日、昨年度に交付された総額7億1600万円の使いみちなどについてまとめた報告書が公開されました。
それによりますと、実際に使われたのは6億7728万円で、執行率は94.6%と、前の年度よりおよそ4ポイント上がりました。
前の年度を上回るのは4年ぶりです。
内訳を見ると、視察・研修費が合わせて485万円と、前の年度のおよそ2倍となっています。
また、広報紙などの発行費が3億1925万円と全体の47.1%を、事務職員などの人件費が2億4024万円と全体の35.5%を占めました。
このほか、会派の枠を越えてヒアリングなどを行うための「グループ活動費」が12万円と、条例で定められた記録を保存する期間の過去5年で初めて支出されました。
支出が適正か調べるため設置された有識者による協議会は「視察や広報紙発行の増加などアフターコロナに向けた政務活動が見て取れた。引き続き使途の透明性を確保するため、適正な執行に取り組むことを期待する」としています。
専門家「政策立案に関わる項目の割合が低いことは問題」
地方政治に詳しい法政大学大学院の白鳥浩教授は「アフターコロナで視察費などが増えたものの、全体のうち人件費と広報費がかなりの割合を占めていて、政策立案に関わる項目の割合が低いことは問題だ」と指摘しました。
そのうえで「政務活動費とは、知事と議会の『チェックアンドバランス』を働かせるために、議員の政策立案力を高めることが本来の趣旨で、有権者に活動を伝える広報だけではなく、むしろ、その中身の政策に関わる経費を増やしていくような政務活動のあり方を検討していくべきだ」と話していました。
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