「代表選にチャレンジする決意を固めた。すなわちそれは、再び内閣総理大臣を目指す」――。千葉県習志野市のJR津田沼駅前で通勤・通学の人通りが途絶えない29日午前、立憲民主党の野田佳彦元首相(千葉4区選出)が、党代表選(9月7日告示、同23日投開票)への出馬を力強く宣言した。立候補要請をした県連有志の一人は「安定、安心感がある」と期待を寄せた。
野田氏は毎朝、駅頭に立って有権者へのあいさつやビラ配りを欠かさないことで知られる。この日も早朝から3時間立った。報道陣に囲まれた場所は1986年、翌年の県議選に立候補するため、震えながら初めて立った「政治の原点の地」。この日は2011年の民主党代表選で勝利した「総理、原点の日」でもあった。
報道陣からの質問は外交、消費税など国政の話題にも及んだが、野田氏は「38年間、ずっと街頭をやってきた。街頭から生まれ、街頭で育てられた政治家だ」と地元への思いを強調した。
野田氏に対しては、県連所属の一部議員らが8月中旬に立候補を要請。県連所属の国会議員は「国民が求めているのは野党一丸であり、中道保守の野田さんであれば、野党で連携しやすい。本当によかった」と胸をなで下ろした。一方、県連幹部は「地方議員の中には泉健太代表や枝野幸男前代表を推す声もあるので県連挙げて、とはいかない。また、自民党に政権が戻った時の首相で、多くの仲間が討ち死にした他県連もあり、恨まれている部分もある。しかし、首相経験者で政権交代しても安心、安定感は抜群だ」と話した。
野田氏の出馬を受け、熊谷俊人知事は同日の定例記者会見で「県民の方々とお話しをしていても、野田さんが代表になってくれればという願望を口にされる方が大変多いと、この1、2年感じていた。非常に大きな期待に応えられて、出馬されると思う」と述べた。【柴田智弘、松尾知典】
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