関西電力は30日、福井県に対し2026年から開始するとしていた使用済み核燃料の県外搬出計画に、遅れが生じると報告しました。2023年10月の計画提示後、わずか1年足らずでの変更となり、計画の実現性はもとより関西電力の信頼性に大きな疑問符がついた形になります。
使用済み核燃料の県外搬出を巡っては、関西電力は2023年10月、40年を超える原発の再稼働の条件として、青森県六ケ所村にある再処理工場への搬出を軸に、2026年度から始める計画を県に示していました。
しかし29日、再処理工場を運営する日本原燃は、立地する青森県などに対して9月末までとしていた完成時期を、2026年度中に延期すると正式に報告しました。
再処理工場の完成延期を受け、30日、関西電力の水田仁原子力事業本部長と資源エネルギー庁の山田仁調整官が県庁を訪れ、鷲頭副知事に搬出計画の実行が遅れると報告しました。
水田仁本部長は「できるだけ速やかにロードマップの見直しに着手するとともに、今後公表される日本原燃の再処理計画を反映した上で、ご報告させていただきます」と説明しました。
これに対し、鷲頭副知事は「計画通り搬出できなくなったということは、2023年10月の県との約束に反するもの。関西電力は2023年のロードマップを策定する前の議論に立ち返って『不退転の覚悟』を示すべき」として、これまで関電が幾度となく繰り返してきた発言を引き合いに出し、原発の稼働停止も視野に「確実に実行できる搬出計画の提示」を強く求めました。
この後、水田事業本部長は報道陣に対して「重く受け止めていて、社に持ち帰り、社長を含め関係役員を相談し、どう対処していくか考えていきたい」と話しました。
関西電力は、日本原燃が組み直す再処理計画をもって搬出計画を見直すとしていて、現段階でどの程度搬出が遅れるかは未定としています。
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