20日夜、海上自衛隊のヘリコプター2機が、伊豆諸島沖で夜間訓練中に墜落した事故。
行方不明7人の捜索が続いている。
自衛隊機をめぐっては、ここ10年で11件の事故が起きている。
その背景には、厳しい訓練をせざるを得ない緊迫した事情があるという。
日本の南の海では22日も行方不明者の捜索が続けられた。
海上自衛隊のヘリコプター2機が、伊豆諸島の鳥島沖で墜落してから2日。
防衛省は、訓練中の2機が空中で衝突した可能性が高いとみている。
木原防衛相「現時点において、飛行中に機体に異常があったことを示すデータは確認されておりません」
墜落した2機にはあわせて8人が搭乗。
これまでに1人の死亡が確認され、7人の行方がわかっていない。
事故が起きたのは、夜間訓練中のことだった。
海上自衛隊が動画投稿サイトで公開している夜間の発着訓練の様子を見てみると、ヘリコプターの全体像は見えにくく、日中と比べて周囲の状況を把握しづらいことがわかる。
事故は、なぜ起きたのだろうか。
当時行われていたのは、「ソナー」と呼ばれる音波探知装置を海に投入し、敵の潜水艦を探す訓練だった。
元海上自衛官で制服組のトップ、統合幕僚長を務めた河野克俊氏は、事故原因について次のような可能性を指摘した。
元自衛隊統合幕僚長・河野克俊氏「もし衝突したということであれば、お互いの位置関係とか意図を錯誤(思い違い)して衝突に至ったということは考えられる」
一方で、夜間訓練は危険という見方については否定した。
元自衛隊統合幕僚長・河野克俊氏「有事が夜起きないということはない。あり得ないわけなので、夜に対応できる訓練もしている。レーダーでも確認しますし、灯火もありますし、夜間だからより危険が増すということはないと思います」
防衛省内からは、中国の海洋進出や台湾有事への警戒などにより、「訓練が増えているから事故も増えた」との声が上がっているという。
そうした中で開かれた22日の国会。
岸田首相は、「厳しい夜間訓練の最中、大切な隊員を失ったことは痛恨の極みであります」と述べたうえで、自衛隊機の安全な運航に万全を期したいとの考えを示した。
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