日豪両政府は5日、オーストラリア南東部メルボルン近郊で外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を行った。中国の軍事活動活発化を受け、「共同の抑止力構築」を表明。自衛隊と豪軍の運用面の連携強化に向け、互いの司令部への連絡官派遣を明記した共同声明を公表した。
日本は豪州を「準同盟国」と位置付け、安全保障協力を深化させてきた。今回の2プラス2はその流れを一段と強める内容で、共同声明に「国家安保政策をかつてなく緊密に連携させていく」と記した。有事対応に関する政策・行動面の擦り合わせも盛り込んだ。
連絡官派遣は、陸海空3自衛隊を一元的に指揮する「統合作戦司令部」の来春創設を踏まえた措置。豪側は「統合作戦本部」がカウンターパートとなる。日本側は11月に統合幕僚監部から送る。
両国部隊の相互訪問手続きを簡素化する「円滑化協定(RAA)」を活用した共同訓練を拡充する方針を明記。日豪がそれぞれ進める長射程ミサイル配備による打撃力の強化を巡り、協力することを打ち出した。
米国を交えた3カ国連携を推進すると強調。具体的な取り組みとして、情報収集・警戒監視・偵察(ISR)協力に関して米軍横田基地(東京都)に置かれた日米共同情報分析組織(BIAC)に豪州が要員を参加させることを盛り込んだ。
中国による東・南シナ海での一方的な現状変更の試みに「強い反対」を表明。「台湾海峡の平和と安定の重要性」を確認した。同志国連携では、太平洋島しょ国の通信インフラ支援やサイバー能力向上のため「日豪太平洋デジタル開発イニシアチブ」の創設を発表した。
日豪の外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)に臨む上川陽子外相(左)と木原稔防衛相(左から2人目)ら=5日、オーストラリア・メルボルン近郊(AFP時事)
航空自衛隊との共同訓練のため飛来した豪空軍のF35戦闘機=2023年8月、石川県小松市
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