立憲民主党代表選の候補者たちは7日の共同記者会見で、原発への向き合い方に微妙な違いをのぞかせた。党綱領に「原発ゼロ社会を一日も早く実現します」と明記している立憲。各候補の訴えと、その理由とは――。
「綱領に書いてあるゼロ。非常に高い目標だ」。泉健太氏は会見で原発についての質問を受けると、そう慎重に言葉をつむいだ。
政権交代を見据え、「現実的」な政策提案にこだわる泉氏。再生可能エネルギーの普及促進などに「最大限の努力」をするとしつつ、「(原発は)2030年時点でも予備電源としては少なくとも持っておかなければいけない。場合によっては稼働させておく必要のある電源もある」と語った。
野田佳彦氏は、原発を巡る国民感情と共に、人工知能(AI)やデータセンターの普及・拡大などで電力需要が右肩上がりだという「現実」を踏まえる必要があると指摘した。「再生可能エネルギーの代替的な普及に向け、その可能性を懸命に探ると共に、原発に依存しない社会を目指す方向で臨んでいきたい」と述べた。
枝野幸男氏は、綱領と同様の「原子力エネルギーに依存しない社会を目指す」と訴えた。「使用済み核燃料などがゼロになるわけではない」「廃炉だけでも数十年の単位がかかる」と説明。「ゼロという表現は、明日にでもそうしたことが解決するかのような誤解を与えかねない表現だ」とし、「目標とするところは同じだが、大変難しいプロセスをしっかり乗り越えていく決意を示す。こういう立場が誠実だと思っている」と訴えた。
一方、吉田晴美氏は脱原発への決意を前面に打ち出した。「私は一日も早く原発ゼロの日本を目指したい」とし、「地震大国であり、攻撃の標的にもなり得る原発は私たちの不安になる」と主張。「一日も早い原発ゼロに向けて、再生可能エネルギー。ここが私は次の成長産業でありイノベーションだと考えている。そこにしっかり投資していく」と語った。【中村紬葵】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。