日本維新の会の藤田文武幹事長は9日、兵庫県の斎藤元彦知事がパワハラ疑惑などを内部告発された問題で、同日中に維新の兵庫県議団が斎藤氏に辞職を要求する方針だと説明した。「県政の停滞を招いている。出直し選挙で県民の信を問うのが適切だ」と述べた。
藤田氏は記者会見で「知事選で推薦した責任はある」と語り、事実解明を優先する立場をとってきた当初方針を転換する考えを示した。斎藤氏への不信任決議案が提出された場合の対応に関して「賛同せざるを得ない」と話した。
藤田氏は週末に兵庫維新の会の幹部や県議団と協議した。5〜6日に開かれた県議会調査特別委員会(百条委員会)による斎藤氏らへの証人尋問を踏まえ、同氏の県民への説明は不十分だと判断した。
吉村洋文共同代表(大阪府知事)が辞職するよう斎藤氏を説得したものの、斎藤氏が応じなかったとも明らかにした。斎藤氏は9日、辞職要求には応じず、続投する構えを見せている。
最大会派の自民党県議団などは12日に辞職を申し入れる予定で、全会派が辞職を求める構図となる。辞職要求に法的拘束力はないため、一部会派が提出を表明している不信任決議案への各会派の対応が焦点となる。
維新は自民党と共に2021年の知事選で斎藤氏を推薦した。維新内には「事実解明を優先する」としてきた執行部の対応が後手に回ったとの指摘がある。自民党は7月中旬に事実上の辞職を求めた。
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