国会議事堂=東京都千代田区で2022年8月3日午前7時56分、竹内幹撮影

 旧優生保護法(1948~96年)下の強制不妊手術を巡り、超党派議員連盟のプロジェクトチーム(PT)は9日、新法での被害認定の仕組みについて、こども家庭庁に設置する審査会が担う方針を確認した。補償金を請求する被害者を各地の弁護士会が支援することでも一致した。

 PTは同日、国会内で会合を開いた。今回の新法では、強制不妊手術を受けた人だけでなく、人工妊娠中絶を強いられた人も対象に含める方向で議論が進んでいる。特に中絶に関しては公的記録が少ないため、被害者の補償金申請時に各地の弁護士会が、客観的資料の整理や陳述書の作成などを支援する仕組みを構築する。

 こうした仕組みを設けることで、超党派議連は被害認定のハードルを高くしないようにしたい考えだ。同日の会合では、補償金額や補償対象とする配偶者、中絶被害者の範囲などについても議論したが結論は出なかった。

 旧優生保護法を巡っては、7月の最高裁判決で国の賠償責任が認められ、本人に最大で1500万円、配偶者には200万円の慰謝料を支払う方針が示された。超党派議連は判決を参考に秋の臨時国会への新法提出を目指し、議論を続けている。【塩田彩、阿部絢美】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。