自民党は13日、総裁選に立候補した9候補の共同記者会見を党本部で開いた。派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡っては、真相解明に向けて再調査を実施すると答えた候補はいなかった。9人とも党の処分が下されたとして、新たな事実が発覚しない限りは、追加的な調査は必要ないとの認識を示した。

共同記者会見の詳報は

【詳報】裏金事件へのけじめ、どうつける? 解雇規制をめぐる見解は? 9候補の回答


 立候補者は高市早苗経済安全保障担当相(63)、小林鷹之前経済安保相(49)、林芳正官房長官(63)、小泉進次郎元環境相(43)、上川陽子外相(71)、加藤勝信元官房長官(68)、河野太郎デジタル相(61)、石破茂元幹事長(67)、茂木敏充幹事長(68)。

自民党総裁選の候補者共同記者会見に臨む(左から)高市早苗、小林鷹之、林芳正、小泉進次郎、上川陽子、加藤勝信、河野太郎、石破茂、茂木敏充の各氏=東京・永田町の党本部で(佐藤哲紀撮影)

 裏金事件については高市氏が「最大限の実態把握に努めてきた」と強調。小林氏も「処分を覆すことは、党のガバナンス上、適切ではない」と指摘し、小泉氏は「岸田文雄首相が責任を取る形で退任を表明した」と説明。河野氏は「検察以上の究明は非常に難しい」と述べた。

◆ほとんどの候補が岸田路線を「踏襲」

 岸田政権の政策への評価を尋ねた質問に対しては、大半の候補が外交政策や経済政策などを継承すると答えた。小泉、石破両氏を除く7人が岸田政権で閣僚や党幹部を経験していることもあり、首相の基本的な路線は踏襲するとした。  現在の政策の転換に関しては、高市氏が「戦略的な財政出動」で増税をしない考えを示した。茂木氏も防衛力の抜本的強化で増税の方針はとらず「(経済成長による)税収や税外収入の増加で十分確保できる」と強調した。  小林氏は政府のエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」について「再生可能エネルギーに偏りすぎている」と述べ、早急に見直すと訴えた。(坂田奈央、井上峻輔) 【関連記事】「政治改革はやることが前提なので争点にならない」? 自民党総裁選9候補「政治とカネ」への本気度に疑問
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