自民党総裁選(27日投開票)や立憲民主党の代表選(23日投開票)で、選挙への立候補が可能となる被選挙権年齢の引き下げを訴える意見が出ている。自民党の河野太郎デジタル相は総裁選への公約に盛り込んだ。立民の野田佳彦元首相も必要性を訴える。

「若い人にもぜひ政治の中へ飛び込み、自分で政策を作る、政策を動かすチャンスがあった方がいい」。河野氏は17日のTBS番組で、18歳への被選挙権の引き下げに重ねて意欲を示した。政策集にも「国政選挙・地方選挙の被選挙権を18歳に引き下げる」と明記した。

野田氏は5日の記者会見で「さらなる政治改革を進めるために、被選挙権改革が大事だ」と述べた。衆院18歳、参院23歳を政策綱領に掲げている。

現行制度は衆院議員が満25歳、参院議員が満30歳、都道府県知事が満30歳などと定めている。選挙権は2015年に公職選挙法の改正で18歳から投票できるようになったが、被選挙権年齢に関する規定は変わっていない。

海外は選挙権と被選挙権の年齢を18歳としている国が多い。日本総合研究所などの23年の調査によると、経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国のうちおよそ6割が選挙権と被選挙権の年齢を満18歳以上で統一している。

韓国は21年に議員や首長の被選挙権を25歳から18歳に引き下げた。当時の野党「国民の力」の李俊錫(イ・ジュンソク)代表が提唱し、与党「共に民主党」も賛同した。22年6月の統一地方選では10代の候補者が政党候補に名を連ねた。

年齢引き下げの動きは欧州でも広がる。03年から23年の20年間でフランスや英国など6カ国で被選挙権の年齢が引き下げられた。

日本でも若年層の政治参加を促す目的で被選挙権の年齢引き下げが議論されてきた。自民党以外の主な政党は22年の参院選で公約に明記した。

立憲民主党は「被選挙権を18歳(参院と都道府県知事は23歳)に引き下げる」、公明党は「引き下げをめざす」、日本維新の会は「衆参両院を18歳」、共産党は「速やかに引き下げる」、国民民主党は「衆院18歳、参院20歳」と掲gげた。

日本大学の岩崎正洋教授は「年齢の引き下げには若年層の政治参加を促す一定の効果がある。選挙権年齢を18歳にした時点でもっと議論すべきだった」と語った。

「落選すれば高額な供託金を没収される可能性もあり、18歳でそのリスクを受け止めることは難しいのではないか」とも指摘し、18歳への引き下げについては議論を重ねるべきだとの考えを示した。

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