岸田文雄首相
「長崎県知事、長崎市長とは先日18日の日にもオンラインで面会させていただきましたが、前回、面会の後、対面でも面会をお願いしたいとのご要望をいただきましたので、本日、公邸までお越しいただき、面会をさせていただきました。前回のオンライン面会からの進捗として、私から、8月9日の被爆体験者の方々とお会いさせていただいた際に調整をお約束した具体的な対応策、これを示させていただきました。すなわち、8月9日に被爆体験者の方々からこれまでのご経験を直接お伺いして以来、検討、調整に最大限努めてまいりましたが、今般、具体的な対応策として、被爆体験者を対象として行われている現行の事業を抜本的に見直し、被爆者と同等の医療費助成を行うことといたします。具体的には、今般の訴訟の原告であるかどうかにかかわりなく、これまで被爆体験者とされてきた方々全員を対象として、精神疾患の発症は要件とせず、また、精神疾患に関連する限定的な疾病に限らず、幅広い一般的な疾病について被爆者と同等の医療費助成を行う事業を創設いたします。このような新たな事業の創設による医療費助成の抜本的な拡充にあたっては、現行の精神影響等調査研究事業といった形ではなく、精神科の受診を不要とするなど、利便性を高めた端的な医療費助成事業とする。年内のできるだけ早い時期の医療費から助成を適用する。このようにし、この新たな事業の詳細設計を長崎県、長崎市とつめていくことといたします。この具体的な対応策を長崎県知事、長崎市長にお伝えしたところ、「感謝する。大きな前進」このような受け止めをいただいた次第です」

Q:長崎県の大石知事と(長崎市の)鈴木市長は控訴を断念したい意向を総理に伝えておりますが、控訴期限が(9月)24日に迫る中、国としてどういった対応を考えていますでしょうか。

岸田首相
「まず、被爆体験者の方々への具体的な対応策については、今、申し上げた通りであります。そして、9月9日の長崎地裁判決は、被爆者援護法の解釈と適用をめぐる訴訟であり、先日のオンライン面会の際も、厚生労働大臣、そして法務大臣に対して、判決を精査し、しかるべき対応を検討するよう指示をしたところであります。本日、同席した厚生労働大臣から長崎県知事、長崎市長に対して、両省(厚労省、法務省)による判決の精査・検討の結果、司法判断の根拠に対する考え方が最高裁で確定した先行訴訟と今回の判決で異なっている。令和3年の広島高裁の判決と比べても、本判決における根拠に基づいた被爆者援護法の公平な執行は困難である。こうした理由から控訴せざるを得ないという話がありました。長崎県知事、長崎市長からは「重く受け止める」というお答えがありました」

Q:これまで被爆体験者の皆さん、被爆者並みの認定を求めていたんですけれども、きょうお示しされた対応策でどの程度、この思いに答えたとお考えでしょうか。

岸田首相
「思いを受け止めて、政府として具体的な対応策をお約束しておりました。その対応策をきょう明らかにした次第であります。引き続き、地元の皆さんの思いと寄り添いながら、政府として対応を続けていきたいと思っております」

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