立憲民主党の新代表に選出され、あいさつをする野田佳彦氏=東京都港区で2024年9月23日午後3時45分、渡部直樹撮影

 勝負を制したのは元「どじょう宰相」だった。23日の立憲民主党代表選は決選投票の末、野田佳彦元首相(67)が枝野幸男元代表(60)を破った。2012年に政権を譲った後も地道な活動を続けて野党第1党の代表に就いた野田氏に、地元市民や支援者からは期待と注文が交錯した。

 野田氏は首相就任直前の11年8月、自らをどじょうになぞらえて泥臭い政治姿勢をアピールした。12年12月に衆院選で民主党(当時)が惨敗した責任を取って代表を辞任した後も、首相経験者としては珍しく、地盤である千葉県船橋市などでつじ立ちを続けて自身の政策を訴えてきた。

立憲民主党代表選の決選投票を終え、代表に選ばれた野田佳彦氏(左)と握手をする枝野幸男氏=東京都港区で2024年9月23日午後3時47分、渡部直樹撮影

 地元に近いJR津田沼駅(千葉県習志野市)前に立つ野田氏をよく見かけるという同市の会社員、末木章さん(55)は「裏表がなく正直な印象。汚いこととは無縁な感じがする」と評価する。民主党政権時代に議員定数削減などへの協力を求めて衆院を解散し、政権の座を明け渡した経緯を振り返り「策士的なところは苦手なようなので、他のメンバーと手を取り合ってほしい。若い世代の政治家も育成してバトンを渡す役割を担ってほしい」と期待を寄せた。

 一方、津田沼駅を利用していた千葉市の無職女性(60)からは厳しい注文も。「もの言う野党であってほしい。欠点を探すような戦法になっているように感じるが、建設的な議論を期待している」と指摘した。

 船橋市にある地元事務所では支援者ら約20人が集まり、テレビで代表選を見守った。ビラ配りを手伝うなど30年以上にわたって応援してきた同市の清野数子さん(82)は「私利私欲がなく、初志貫徹の人。日本のため、国民のために頑張ってほしい」とエールを送った。【垂水友里香、松尾知典】

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