次期衆院選に京都4区から立候補予定だった日本維新の会新人で弁護士の松井春樹氏(26)の事務所幹部だった男性が、同区選出で無所属の北神圭朗衆院議員(57)の事務所に出入りしていた問題で、松井氏は26日、京都市西京区の事務所で記者会見を開き、出馬取りやめを正式に表明した。24日に維新に離党を申し出たといい、「私の使用責任、道義的責任は免れない。北神衆院議員ら関係者にご迷惑をかけたことをおわびしたい」と謝罪した。
松井氏によると、男性は京都市内の小学校の同級生で、東京でIT関連の法人を経営。2023年春に松井氏が出馬を決意した際、事務局長となり「相棒として、一緒に走り始めた」という。SNSを活用した選挙運動やビラ、ポスターの発注などの業務を担当したが、報酬は支払っていなかったという。
男性は23年末、府内の大学であった北神氏の講演会を偽名で申し込み、聴講。その際接触した北神氏から事務所ボランティアスタッフとしての誘いを受け、出入りするようになったという。
松井氏は当初から出入りの事実を把握しており、複数回にわたってやめるよう要請したが受け入れられず、「事務局長へのこれまでの依存度などを考えると関係を切れなかった」。男性は少なくとも5回以上は北神氏の事務所に入ったとみられるが、得た情報などを松井氏の事務所が利用した事実は確認していないという。
男性が北神氏の事務所に出入りした理由については、松井氏は「勉強目的やゲーム感覚だったのではないか」と説明。出入りの事実が明らかになった後、今月20日に事務局長を解任。その後はほぼ連絡が取れていないという。
また松井氏は、男性が立憲民主党学生部の活動に偽名で申し込み、オンラインで面接を受けたことも認めた。「ボランティアに依存し、指揮命令系統を作れなかった自分の甘さを痛感する」と話し、当面政治活動は自粛する。
京都4区では他に自民党の現職、田中英之氏(54)、共産党の新人、吉田幸一氏(50)が立候補を予定している。【矢倉健次】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。