斎藤知事は26日、県議会で全会一致で可決された「不信任」への対応について、「30日付で失職し、出直し選挙に出馬する」と記者会見で発表しました。

この記者会見について、26日関西テレビ「newsランナー」に出演した、前の明石市長・泉房穂さんと、コメンテーターの菊地幸夫弁護士が解説しました。

■斎藤知事 失職・出直し出馬のきっかけは「高校生からの手紙」

知事の記者会見での主な発言は以下のようなものです。

・議会の解散については最初から(選択肢に)なかった
・出直し選挙に出るかが大きかった

・きのう(25日)朝に決断した
・高校生から「辞めないで」と手紙をもらった

・「職を辞すべきことなのか」という思いは根底にある

・(出直し選で)政党の力を借りるのは難しいと思う 一人でやっていく

また、記者会見の冒頭で5分程度、自身の実績について言及する場面もありました。

■泉氏 斎藤知事は「反省していない。自分が被害者という形」

まず泉さんは、斎藤知事が「反省していない。自分が被害者という形」と厳しく批判しました。

【泉房穂前明石市長】「改めて本当に全く反省してないというか、悪いと全く思ってないことが明らかになりましたね。

百条委員会で『公益通報』の専門家の教授が言っておられたけれど、『独裁者が粛清をするかのような』って、表現まで使っておられて。

結局、告発者は死に至っているわけですから、実際亡くなられたがいる状況の中でも、全然自分は悪くないと言う方ですから、改めて本音が出たんでしょうね、自分は全く悪くないと。むしろ自分は被害者なんだという形ですね」

そのうえで、斎藤知事が「実績」をアピールしたことについては。

【泉房穂前明石市長】「改革とか実績を言われましたけど、急につくったような話で、改革をしている自分が足を引っ張られているストーリーをつくろうとしているのが明らかですけど、実際これまではそんなことを言っていなかったわけですし、実際、改革の実績がほぼありませんから。

あの『98%』は着手率であって(※斎藤知事はことし7月30日の記者会見で、掲げた公約173項目のうち171項目に着手し、『98.8%』と説明)、達成率じゃなくて、『着手した』、『自分がやろうとした』という目線であって、県民目線ではなくて、自分目線。『自分ファースト』の方だなと、改めて会見を聞きながら感じました」

こう述べて、知事の「実績」について、疑問を呈しました。

■菊地弁護士「都合のいい意見しか採用してないというような印象」

一方、菊地弁護士は、斎藤知事が自分に都合のいい片側の意見を重視しているのではないかと指摘します。

【菊地幸夫弁護士】「失職して次の選挙に出るという、決断をなぜしたのかというと、『高校生から応援の手紙をいただいた』ということですね。
それに非常に心動かされた、感情的にもなったということですけれども、他方、兵庫県庁には非常に多くの抗議の電話なり、なんなりが来ていて、職員の方々がその対応に大変苦労されているというようなことも聞いています。そういう苦労に関しては、どう思うかですね。

『大きな(県民の)負託を選挙でいただいた』と、だから『自分は頑張りたい』と(知事は言う)。だけど、同じ負託をいただいている県議の方たちが、全員揃って『もうやめなさい』とおっしゃっていると。これをどう考えるのでしょうか。

政治家である以上、県の中に賛成・反対、いろいろな意見があって、それを『双方を配慮して』っていうことが、政治家の役割だと思うんですけど、どうもご自身に都合のいい意見しか、採用してないというような印象が非常に強かったですね」

(関西テレビ「newsランナー」2024年9月26日放送)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。