いよいよ9月27日、自民党総裁選の投開票が行われ、事実上の日本のリーダーが決まります。

26日放送の関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」では、15の政権を取材してきた元・日本テレビ記者で政治ジャーナリストの青山和弘さんが、総裁選の結果を大胆に予想しました。

ここまで小泉氏、石破氏、高市氏が横一線に並ぶ三つどもえの戦いでしたが、小泉氏が失速し「石破氏vs高市氏」の一騎打ちになるのではないかと青山さんは言います。

【政治ジャーナリスト 青山和弘さん】「現段階(前日)での予想です。1回戦での獲得票数、あくまで予想、推測ですね」

青山氏の予想によると、国会議員票は小泉氏がトップ、党員票は石破氏がトップ、そして高市氏も党員票で石破氏と10票差に迫っていますが、合計では石破氏がトップになるとの予想です。

■自民党総裁選 青山和弘氏が大胆予想

当初、小泉氏が有力視されていましたが、党員票が伸び悩んでいる理由について、青山氏は次のように分析しています。

【政治ジャーナリスト 青山和弘さん】「小泉さんになるだろうと、みんな最初の段階で予測したんですね。(党員票が少なくなったのは)討論会の中で、集中砲火を浴びたんです。やはりトップだから、まず『皆さん質問どうぞ』というと、まず小泉さんにという風になった。そこで外交のこととかいろいろなことを聞かれて、はっきり言うと小泉さんはそれに耐えられなかった。『ちょっとこの人、外交大丈夫かな』、『総理としてまだ早いんじゃないか』と不安を与えてしまった」

「あと最初の記者会見でかなり強い政策を打ち出して、それに対して不安がつのったというのもあったと思います。それで党員票がかなり減ってしまった。これを議員票で挽回しようとしているんですが、ちょっと挽回しきれなくなってきているんじゃないかというのが現状です」

党員票の傾向については次のように説明します。

【政治ジャーナリスト 青山和弘さん】「党員の人気というのは大体、世論調査と同じなんです。ただ、世論の調査と何が違うかというと、自民党員は男性で高齢者が多いんです。だから各社がやっている世論調査から男性と高齢者に絞ると、若い人が小泉さんを支持していて、高齢の男性は石破さん。あと高市さんは女性より男性に人気があるんですよ。なので、石破・高市が上がってくるという状況なんです」

■決選投票の組み合わせと予想

また、決選投票の可能性について、青山氏は「100パーセント、決選投票になります」と言います。

決選投票の組み合わせによって、結果が大きく変わる可能性があります。青山氏は「自民党の総裁選は、1回戦は党員票がものをいう。2回戦は議員票がものをいう」と述べ、決選投票の組み合わせについて、以下のように分析しています。

1. 小泉氏vs石破氏:議員票の多い小泉氏が有利
2. 小泉氏vs高市氏:議員票の多い小泉氏が有利だが、小泉氏が残る確率は下がっている
3. 石破氏vs高市氏:ギリギリの接戦で予想が難しい

■石破vs高市 決選投票実現の場合「予想が難しい」

石破氏と高市氏の決選投票になった場合、青山氏は「究極の選択。日本の未来が正反対に!?」と表現します。

【政治ジャーナリスト 青山和弘さん】「菅さんというキングメーカーがいます。菅さんはいま小泉さんについているんですけど、この2人になったら石破さんにつきます。もう1人、麻生さんという副総裁。麻生さんはおそらく、高市さんにつきます」

【政治ジャーナリスト 青山和弘さん】「とにかく2人の政策は真逆なんです。ある意味、両極端と言っていい。例えば経済政策でいうと、石破さんは『財政規律を重んじるべきだ、借金を繰り返すべきじゃない』と。一方、高市さんは『どんどん、借金してでもいいから経済刺激を続けるべきだ』。夫婦別姓も真逆。女系天皇の話に対して、石破さんも女系天皇でいいとは言っていないけど、『議論もした方がいい』と。だけど、高市さんは『絶対反対だ』と」

さらに、裏金問題への対応や対中国政策など、さまざまな面で両者の立場は正反対だと青山氏は指摘しています。

【政治ジャーナリスト 青山和弘さん】「じゃあ選挙が近い中で、選挙の顔でもありますから、どっちがいいのかというのは自民党議員にとって究極の選択にもなるし、日本国民にとって国柄も変わってしまうのではないかというぐらいの違いなんですね」

■対野党の関係、連立を組む公明党との関係も影響

対野党の関係や、連立を組む公明党との関係が自民党議員の心理にどう影響するかもポイントだと言います。

【政治ジャーナリスト 青山和弘さん】「(立憲民主党の代表に決まった)野田さんとしては高市さんのほうがやりやすい。右にすごいエッジが立っていますので、中道が空くんじゃないか。自民党の中にもリベラルな人も少なくないところに、野田さんが手を突っ込みやすい。一方で石破さんだと野田さんに抱きつく可能性もあって、やりにくいのですけど、そうなると自民党内が困る。だから自民党議員にとって本当に難しい選択です」

「あと連立を組む公明党は、高市さんかなり厳しいですよ。政策が違います。そうすると連立にひびが入る可能性もあって、自民党議員の心理にどう影響するか、これも明日見て行かないといけないと思います」

ということで青山氏は、石破氏vs高市氏の決選投票になった場合、「51対49で、石破さんのほうが若干有利かな。いま切り崩し合いをやっていますから分からないけど、若干石破さんの方が少し有利かなというふうに取材の結果見ています」と予想しました。

自民党総裁選の結果によって、日本の未来が大きく変わる可能性もあると言います。総裁選の行方に注目です。

(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!2024年9月26日放送)

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