自民党総裁選で1回目の投票をする小泉進次郎元環境相(右)。左は河野太郎デジタル相=自民党本部で2024年9月27日午後1時12分、猪飼健史撮影

 27日に投開票された自民党総裁選は混戦の末、県内選出の小泉進次郎元環境相(43)=衆院神奈川11区=と河野太郎デジタル相(61)=同15区=の2人が共に敗れた。1回目の投票で前評判が高かった小泉氏は失速し全体3位に終わった。前回選で決選投票に進んだ河野氏も8位に沈んだが、2人の地元からは今後に期待する声も上がった。

 神奈川県横須賀市にある小泉氏の地元事務所には、支援者約40人が集まり投開票の行方を見守った。「事務所が狭い」との理由で、記者は事務所に入ることは許されなかったが、参加者によると、小泉氏が敗れると支援者からため息が漏れたという。

 事務所に駆けつけた主婦の田山愛子さん(72)は「ずっと応援しているが、総裁選の挑戦は少し早かったかなと思った」と話した。一方、男性会社員(59)は「議員票はトップだったから悔しい。次に向けてもっと勉強してもらって頑張ってもらいたい」と今後に期待した。

 横須賀市内の事業者や住民有志で結成している「小泉進次郎応援団」代表の鈴木孝博さん(58)も労をねぎらった。総裁選期間中は、賛同した300人の顔写真を貼り合わせて作成した小泉氏のモザイクアートを市内の電子掲示板に放映して盛り上げた。週末ごとに地域行事に顔を出す小泉氏の地元愛を肌で感じてきたといい、鈴木さんは「石破茂新総裁のもとでしっかりと活動し、将来また挑戦してほしい」と話した。

自民党総裁選で投票する小泉進次郎氏、左は河野太郎氏=東京・永田町の同党本部で2024年9月27日(代表撮影)

 河野氏の地元・平塚市では市民が冷静に結果を受け止めた。

 市内で衣料品店を営む青木智明さん(48)は「首相は米国や中国など大国のリーダーと対等に話ができる人がいい。残念だが河野さんはやや迫力不足と感じた。石破さんくらいのアクの強さがほしかった」と話す。

 一方で青木さんは新型コロナウイルス禍で担当相に任命されて進めた新型ワクチンの接種を評価。「難しい課題への対処力や遂行力は抜けている。労を惜しまない人だと思うので、その力を今後も国政に生かしてほしい」とエールを送った。

 JR茅ケ崎駅前で買い物をしていた女性(28)は「(都道府県から)2人が立候補したのは神奈川だけで違和感を覚えた。どちらかに絞って連携すれば良かったのでは」と冷ややかに話した。【矢野大輝、柿崎誠、因幡健悦】

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