ロシア軍機は礼文島沖で3回にわたり日本の領空を侵犯。緊急発進(スクランブル)した航空自衛隊の戦闘機が「火炎弾」(フレア)を初めて発射して警告する異例の事態となった。また、8月の長崎県沖のケースは、中国軍機による初の領空侵犯公表事例となった。

この2件を除き、防衛省が「領空侵犯」として公表している事案は1967年から2023年までに計46件。その大半の43件がロシア(ソ連)機(推定含む)によるものだった。中国機によるものは2件。うち1件は2012年に中国国家海洋局のプロペラ機が尖閣諸島上空を飛行したもの、もう1件は17年の小型無人機によるものだった。

防衛省によると、空自機によるスクランブルの回数は23年度1年間で669回。冷戦終結後の1990年代半ばから2010年前後までは100~300回の水準だったが、13年以降は概ね700回を超える高い水準で推移している。

推定を含め、緊急発進回数の対象国・地域別の割合は、中国機約72%(479回)、ロシア機約26%(174回)、その他約2%だった。防衛省によると、23年度は中国機による相次ぐ沖縄本島と宮古島の間の通過、中国爆撃機とロシア爆撃機による長距離共同飛行、中国無人機の与那国島と台湾の間の通過や日本海での飛行初確認など、中国機による活動の拡大・活発化を示す事例がみられたという。

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