自民党の石破茂総裁は30日午後に党本部で臨時総務会を開き、新たな党執行部を正式に決める。幹事長に森山裕総務会長をあて、総務会長に鈴木俊一財務相を登用する。
党ナンバー2となる幹事長は茂木敏充氏から3年ぶりに交代する。幹事長、総務会長以外の党四役は政調会長に小野寺五典元防衛相、選挙対策委員長に小泉進次郎元環境相を内定した。副総裁に菅義偉前首相、最高顧問に麻生太郎副総裁をそれぞれ充てる。
閣僚は加藤勝信元官房長官を財務相、赤沢亮正財務副大臣を経済財政・再生相として予算編成や経済対策の策定に取り組む。外相に岩屋毅元防衛相が就き、防衛相に中谷元氏が再登板する。官房長官は林芳正氏が続投する。
法相は元経産副大臣の牧原秀樹氏、農相は首相補佐官の小里泰弘氏、経済安全保障相は城内実氏、デジタル相は平将明氏、地方創生相は伊東良孝氏を起用する。
首相官邸は政務担当の官房副長官に橘慶一郎衆院議員、青木一彦参院議員を充てる見通しだ。事務担当の副長官は元総務次官の佐藤文俊氏を就ける調整に入った。
石破氏は総裁選で自身を支援した陣営に加え、林氏を支持した旧岸田派や3位につけた小泉氏の陣営から決選投票で支持を得た。こうした勢力を軸に党や閣僚の枢要ポストを割り振る。
岩屋氏と赤沢氏は石破陣営の中核を担った。小野寺氏は旧岸田派に属し、菅氏は小泉氏を支援した。森山氏も決選投票で石破氏を支持したとされる。
党内のバランスにも配慮した。党最高顧問に就く麻生氏は決選投票で石破氏ではなく高市早苗経済安全保障相を支持した。麻生派からは総務会長に鈴木氏が就任するのに加え、経済産業相に武藤容治元経産副大臣、環境相に浅尾慶一郎参院議院運営委員長がそれぞれ就く。
決選投票で高市氏を支持した加藤氏も政権内に取り込む。
挙党体制づくりに不安が残る。高市氏に党総務会長を打診したものの断られた。同氏は総裁選の党員・党友票で石破氏を上回って首位となり、保守層の根強い人気が明らかになった。総裁選で5位だった小林鷹之前経済安保相も党広報本部長を固辞した。
臨時国会が10月1日に召集される。首相指名選挙で同日中に石破氏を第102代首相に選び、新内閣が発足する見通しだ。
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