自民党のベテラン議員2人の話題。福島県選出の根本匠衆議院議員と吉野正芳衆議院議員がと相次いで政界引退を表明した。

9月29日福島県郡山市で開かれた記者会見。
旧福島2区選出の根本匠衆議院議員が次の総選挙には出馬せず、政界を引退することを表明した。根本議員は「近いうちに解散総選挙が行われ、国民の信を問うこととなりますが、私は次期総選挙には出馬いたしません」と述べた。
引退の理由について、2025年度で終了する「第2期復興・創生期間」後の財源の確保について提言を取りまとめ、一区切りがついたことなどを挙げた。
また、当選同期の“盟友”として、支え続けてきた岸田総理の判断も影響したという。
根本議員は「岸田さんが総裁選への出馬を取りやめ、新しいリーダーに新生自民党を託した。私の使命・役割の1つが終わったという気持ちもありました。そして、年齢のことも念頭にありました」と語った。

一方で、9月30日、いわき市では・・・吉野正芳後援会の斎藤公男会長が「今度の総選挙に出ない決心をして、後進に道を譲ることとしたということでありました」と話した。吉野正芳衆議院議員の後援会が開かれ、斎藤公男後援会長が吉野議員が引退の意思を示したことを発表した。
2000年に衆院議員に初当選し、2017年には復興大臣に就任。しかし、2023年10月以降は健康面を理由に国会を欠席。この日も集まった支援者のもとに顔を見せることはなかった。

関係者によると、約2ヵ月前から引退を考えていて、新総裁の決定を待ち発表したということだ。後援会の斎藤会長は「街頭演説を行ったり、いろいろな方とお会いして自分の公約や政治信条を訴えて回ることを、完全にやり遂げるだけの確信を持てなく」と話した。

相次いで発表された県選出議員2人の政界引退。両者とも後継者選びには「関与しない」としている。

<二人のベテラン議員の歩み>
根本さんと吉野さんはいずれも復興大臣を歴任している。福島の復興にも力を尽くしてきた2人の歩みを振り返る。

<根本匠議員の足跡>
「バンザーイバンザーイ」
根本匠議員(1993年初当選当時):「とにかくあらゆる課題に真剣に額に汗を流して取り組みます。政策っていうのはその次ですから。まずそういう志の高い政治家としてこれから頑張っていきたいと思います」

1993年に初当選した根本匠衆院議員は、郡山市出身で旧建設省の官僚を経験。
福島県内の現職の自民党国会議員としては、当選回数が最も多いベテランで現在9期を務めている。東日本大震災の翌年2012年から復興大臣を務めると、2018年には厚生労働大臣として再入閣。現在は自民党の「東日本大震災復興加速化本部長」を務めている。
2024年5月には「福島県はまだ長期的な対応が必要な件ですから、復興創生期間の2期目ですが、3期目にどういう姿を描いていくか、とりわけ『財源確保』これが一番だと思いますね」と話した根本匠本部長。8月、岸田総理に対し、「第2期復興・創生期間」後も財源確保を求めるよう提言し、総理から「引き続き政府としての責任を持って確保する」との回答を引き出した。

<吉野正芳議員の足跡>
「日本国、新しい仕組みを作っていく。平成の坂本龍馬になっていきたい」
吉野正芳衆院議員は県議会議員議員としての3期の経験を経て、2000年に衆院議員に初当選。現在8期目を務めている。
2017年には復興大臣として初入閣。「被災地の単なる現状復旧に留まらず、新しい東北の創造に取り組んで参ります」と所信表明した吉野議員。福島第一原子力発電所の立地エリアや立ち入りが制限されたエリアの大部分を抱える選挙区から選出された代表として、震災からの再建に力を尽くしてきた。

一方で、旧安倍派の裏金問題では、自身も収支報告書の不記載により党紀委員会で「戒告」処分の対象に。また、2023年10月招集の臨時国会、2024年1月招集の通常国会には一度も出席せず、9月27日の総裁選でも不在者投票をするなど健康面が不安視されていた。

大臣経験をもつ2人のベテランの引退。解散総選挙も混戦が予想される。

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