沖縄県うるま市での陸上自衛隊訓練場整備計画の断念を発表し、記者の質問に答える木原稔防衛相=東京都新宿区で2024年4月11日午後6時16分、前田梨里子撮影
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 木原稔防衛相は11日、防衛省で記者団に対し、沖縄県うるま市のゴルフ場跡地に計画していた陸上自衛隊の訓練場整備を断念すると表明した。跡地が住宅街などに近接しているとして、市議会や県議会が白紙撤回を強く求めており、地元の理解が得られないと判断した。政府が推進する南西防衛強化にも影響を与えそうだ。

 木原氏は「住民生活と調和しながら、訓練の所要等を十分に満たすことは不可能であると判断した。地元の皆様におわびを申し上げる」と述べた。

 防衛省・自衛隊は、うるま市の陸自勝連分屯地に「第7地対艦ミサイル連隊」を新たに配備するなど、沖縄県内を中心に南西諸島の防衛強化を進める一方、部隊拡大に伴う訓練需要増への対応を検討。同市のゴルフ場跡地(約20ヘクタール)を取得し、新たな訓練場を整備するとして、2024年度当初予算に用地取得費を計上した。

 しかし、跡地が住宅街や自然体験学習施設に近接しているため、反対運動が拡大。24年3月には県議会が「住民の生活環境に影響を与えかねない」として、白紙撤回を求める意見書を全会一致で可決していた。【中村紬葵】

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