神奈川県内の各自治体の選挙管理委員会が衆院選の準備で大わらわになっている。9日の解散から27日の投開票までは18日間で、2021年衆院選の17日間に次いで戦後2番目の短期決戦。投開票日への準備に忙殺され、「投票を呼びかける啓発活動にまで手が回らない」と悲鳴があがっている。
石破茂首相が首相就任前の9月30日、突然に衆院選の日程を表明し、県や市町村の選管は準備を加速。投票所の立会人の確保や投票用紙の用意などに追われている。横須賀市の選管では選挙ポスター掲示板の発注を慌ただしく進め、5日から市内596カ所に順次設置する。担当者は「かなりのドタバタだ。決まった日程にそってしっかり準備をしたい」と話す。
一方で、投票を呼びかける積極的な啓発活動も各自治体の選管の重要な仕事の一つ。県選管は衆院選への投票を呼びかける動画を制作し、公示が予定される15日から放映することを決めた。
しかし、各自治体の選管からは「投開票の準備が最優先の状況で、とても啓発活動には手が回らない」との声もある。そこで、県選管は昨年度に主催した動画コンテストで最優秀賞に輝いた作品の活用を急きょ決めた。
作品は「あなたの一票、タダじゃない」というタイトルの動画。今回の衆院選に直接の関係は無いが、税金から支払われる有権者1人当たりの選挙費用を伝え、貴重な1票を大切にしてほしいと呼びかける内容だ。県選管は作品を各自治体に提供し、街中の電子掲示板で放映してもらうことを想定している。
横浜市のある区の選管担当者は「普段から若者を対象に啓発活動を行ってきた。短期決戦だが、日ごろの活動の効果が表れることを期待している」と話した。【柿崎誠】
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