参院は8日、石破茂首相の所信表明演説に対する各党代表質問を行った。野党は7日の衆院に続き自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件に関係した議員らの公認問題などを追及。石破氏は、国民の信頼回復が必要との認識を改めて示した上で「ルールを守る倫理観を確立する」などと強調した。
裏金問題を巡り、立憲民主党の田名部匡代氏は「政治改革を前に進めるためにも、国民の信頼を取り戻すためにも、まずは真実を明らかにしなければならない」と指摘。次期衆院選での公認に関し「説明責任を果たしているかどうかだというが、誰が何をもって判断するのか」などと迫った。
石破氏は「党の選挙対策委員会で各選挙区の事情、当選の可能性などを踏まえ、適切に判断をしていく」と説明。その上で不記載があった議員について「引き続き適切な方法で地元の理解が得られているかなどを判断する」と答弁したが、具体的な手法などは明らかにしなかった。
来夏の参院選での公認については「現時点で予断を持ってお答えをすることは差し控える」としつつ、「状況に応じた適切な方法で反省を求める」と述べた。
同性婚制度の導入に取り組むかを問われると「国民一人一人の家族観とも密接に関わるものであり、国民の意見や国会での議論、同性婚に関する訴訟の状況等を注視していく必要がある」と述べ、慎重に判断する考えをにじませた。
9月の総裁選などで主張していた「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」構想については「まずは喫緊の外交安全保障の課題に取り組む」などとする答弁を繰り返した上で、「この地域における多国間の安全保障枠組みの構築は大きな構想である以上、最終的にどのような枠組み、組織になるかは今後の議論次第だ。いずれか特定の国を念頭に置いたものではない」と付け加えた。【樋口淳也】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。