衆議院が解散され、事実上の選挙戦に突入しました。福井県内では過去最多の10人が立候補に向けて名乗りをあげ、臨戦態勢に入っています。嶺北を中心とする福井1区では、10日までに5人が立候補表明や、出馬の意思を固めています。
  
自民党の前職で7選を目指す稲田朋美氏(65)、そこに挑むのが共産党の新人・金元幸枝氏(66)、参政党の新人・田中こはる氏(38)、無所属の新人・西山理恵氏(48)、立憲民主党が擁立する新人・波多野翼氏(39)です。
 
福井1区の情勢をまとめました。
  
<稲田朋美氏>
9月下旬、福井市内の老人ホームに自民党の稲田朋美氏(65)の姿がありました。7期目を目指す稲田氏は選挙に備えて支持者との直接の対話を増やしてきました。「おかげさまで20年目を迎えます。(同期で)6回連続小選挙区で勝ってるのは2人だけ。そのおかげで色んな経験も積ませてもらった」と語り掛けます。いわゆる裏金問題については「説明責任はしっかり果たしてきたつもり。2度と起きないようにしっかりと反省している」と訴えます。
 
旧安倍派の裏金事件で稲田氏は、政治資金収支報告書に196万円の記載漏れがあり、幹事長から注意を受けました。党の公認は得られたものの、比例代表での重複立候補はできません。
 
「信頼を取り戻すためにも退路を絶つべきじゃないのかとずっと考えてきたので、しっかり福井の皆さんに感謝の気持ちを伝えて厳しいが頑張っていきたい」
 
<金元幸枝氏>
12回目の挑戦となるのは共産党公認で県委員会・書記長の金元幸枝氏(66)です。掲げるのは政権交代です。2023年6月、早々と出馬を表明し、スーパーの前など街頭で演説を重ねて政策を訴えてきました。
 
「裏金問題をうやむやにしない。もらっているのはどこからなのか。大企業の利益は優先するが国民の願う年金や医療、社会保障は削る、非正規雇用を増やしてきたことも大企業優先なので、これを変える」と訴えます。
 
<田中こはる氏>
2024月5日に出馬表明したのは参政党の新人、田中こはる氏(38)です。「私は一般的な母親。公の場に出るということはとても怖いが、でもそれ以上に日本がどうなっていくかが怖かったので出馬した」と出馬の理由を語ります。田中氏は越前市出身で現在は石川県加賀市在住。9歳の息子を育てるシングルマザーで、子育て経験などから食や教育の政策を訴えたいと話します。出馬会見後は、さっそく街頭演説に立ちました。
   
「私たち一人一人の心を大切にするために、日本人が日本人であるための教育が必要」
  
<西山理恵氏>
解散直前、公認済みだった立憲民主党から離党した新人の西山理恵氏(48)。2023年9月に立憲民主党から出馬を表明後、1年間、辻立ちや勉強会などを重ねてきましたが、10月5日、改めて無所属での立候補を表明しました。「この勝山から無所属で立候補に至った。裏金問題だけでなく、表金であったとしても使われ方、税金の使われ方全てがまみれている。それをひっくり返していく」と訴えます。「政党が変わっても、政策は変わらない」と西山氏は話します。
 
「一番の争点は選択だと思っている。変えていく、あなたの一歩で変わるというのをこの福井県からみせようじゃないか」
 
<波多野翼氏>
立憲民主党の公認候補として9日に発表されたのは新人の波多野翼氏(39)です。「元公務員ということで市民、生活者と直接話すことがあるが、生活厳しいと(いう声がある)。もう一度政治を考えるきっかけに自分がなれるのであれば、一歩踏み出してみようと思った」と出馬の理由を語ります。波多野氏は越前市出身の39歳で、現在は永平寺町在住です。2009年に越前市役所に入庁し、2019年には「地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード」を受賞しました。
 
波多野氏は10日朝、さっそく辻立ちを始め「お弁当を買うときに500円を超えると手が出せない。そんな社会になってしまった政治に原因がある。さらに言えば私たちの責任もある」と訴えました。
 
「今回の選挙戦、何のための解散なのか分からない。しかし、この解散があったから福井は変わった、日本は変わったと言えるように頑張る」
  
臨戦態勢に入った福井県内の立候補予定者たち。私たちは誰を選びどのような審判を下すのか。衆議院選挙は15日公示、27日投開票です。

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