石破総理大臣は10日はASEAN=東南アジア諸国連合との首脳会議に出席し、安全保障分野で協力を強化していく考えを示しました。

また中国の李強首相と初めての首脳会談を行い、あらゆるレベルで意思疎通を重ねていくことを確認した一方、東シナ海の情勢や日本周辺で活発化している中国軍の活動に深刻な懸念を伝えました。

さらに韓国のユン・ソンニョル大統領やインドのモディ首相とも首脳会談を行ったほか、フィリピンのマルコス大統領とも立ち話をしてそれぞれ連携を進めていくことで一致しました。

11日は、ASEAN各国に加え、アメリカ、中国、ロシアなどが参加するEAS=東アジアサミットに出席し、ロシアや中国の軍事活動の活発化を念頭に、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化する重要性を訴える方針です。

またASEAN諸国などとアジアの脱炭素化を目指す首脳会合を主催し、今後10年を見据えた行動計画をとりまとめることで合意したい考えです。

夜には記者会見を行い、本格的にスタートした首脳外交の成果などを説明することにしています。

米 中国 ロシア 激しい議論の応酬か

会議では中国が海洋進出を強める南シナ海や東シナ海の問題のほかロシアによるウクライナ侵攻、それに北朝鮮情勢などが取り上げられる見通しです。

このうち南シナ海をめぐっては中国の海警局の船とフィリピンの巡視船が衝突する事案が相次いでいて、10日の中国とASEANの会議でも両国の対立が際立ちました。

外交筋によりますと、アメリカのブリンケン国務長官は11日の東アジアサミットで南シナ海における航行の自由の重要性や、国際法に基づいた平和的な解決を改めて主張する見通しだということで、中国の李強首相との間で激しい議論が交わされるものとみられます。

また、各地で戦闘が続くウクライナ情勢についても、アメリカとロシア双方がそれぞれの立場を主張するものとみられ、ASEANを舞台に議論の応酬が予想されます。

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