◆公明「地元の意向を最大限尊重してやっている」
「主権者である国民がどう判断するかだ。いろいろなハンディの中で戦って議席を得るのは大変なことではないか」。石破茂首相(自民党総裁)は、非公認の裏金議員が当選した場合の対応について、選挙直後の要職起用は否定しつつ、みそぎが済んだとして追加公認することは問題ないとの認識を示した。 「政治とカネ」の問題の政策活動費を巡っては、公明党と野党5党が廃止を公約するが、自民は「将来的な廃止を念頭」にとどまる。首相は衆院選で使うと表明しており、国民民主党の玉木雄一郎代表は「選挙で使うのは矛盾だ」と訴えた。衆院選公示を控え、日本記者クラブ主催の討論会に出席する(左から)国民民主党の玉木代表、公明党の石井代表、立憲民主党の野田代表、自民党総裁の石破首相、日本維新の会の馬場代表、共産党の田村委員長、れいわ新選組の山本代表
裏金事件に関しては、連立与党の公明にも矛先が向いた。自民が非公認とした小選挙区の前議員12人のうち、公明は埼玉13区の三ツ林裕巳、兵庫9区の西村康稔の両氏を推薦すると決めたからだ。 公明の石井啓一代表は「地元の意向を最大限尊重してやっている」と説明。日本維新の会の馬場伸幸代表は「国民の理解が及ばないのでは」と批判した。◆共産・田村委員長「野党共闘の基盤が損なわれている」
選挙協力では、小選挙区での候補一本化の遅れなど野党の足並みの乱れもあらわになった。 立憲民主党の野田佳彦代表は「自公を過半数割れに追い込むため、対話のチャンスがある限りやっていきたい」と調整の継続を主張した。一方、共産党の田村智子委員長は、立民が安保法制の違憲部分の廃止で慎重姿勢に転じたことを念頭に「野党共闘の基盤が損なわれている」と突き放した。◆首相、日米地位協定の改定「必ず実現したい」
安保政策では、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)のノーベル平和賞受賞決定を受け、核兵器の保有や製造を禁じる核兵器禁止条約に質問が集中した。首相は「核抑止は機能している」と「核の傘」の重要性を訴え、条約の締約国会議へのオブザーバー参加に後ろ向きな考えを繰り返した。 野田氏は、首相が非核三原則のうちの「持ち込ませず」の見直しや米国の核兵器を日本で運用する「核共有」の検討を持論としていることを踏まえ、「そんな日本のトップで良いのか」と疑問視。田村氏は「核のタブーが国際世論になっているのに、核抑止を言うのは被爆者の願いを踏みにじる」と断じた。 首相が曖昧な態度を一変させたのは、日米地位協定の改定の持論がトーンダウンしていると批判された場面。党内議論を始めるよう指示したと強調して「相手があり、見直しが大変なのは分かっているが必ず実現したい」と言い切った。
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