石破茂首相

 第50回衆院選は15日公示される。石破茂首相(自民党総裁)が与党で過半数(233議席)の維持を掲げるのに対し、野党第1党の立憲民主党の野田佳彦代表は、与党の過半数割れを目指す。与野党党首は13日、「政治とカネ」などを巡り、テレビ番組で舌戦を繰り広げた。投開票は27日。

 先の通常国会で成立した改正政治資金規正法は、議員本人への罰則強化や政治資金パーティー券購入者の公開基準額引き下げなどが盛り込まれたが、野党が求めた企業・団体献金の禁止は反映されなかった。今後の政治改革のあり方が争点の一つとなっている。

 NHK番組で、首相は政治資金の透明性を高めることが必要だと訴えたが、「企業(献金)なら駄目、個人(献金)なら良いというのはファンタジーみたいな気がする」と述べ、企業・団体献金の禁止に否定的な考えを示した。

 立憲の野田氏は「一番の大玉は企業・団体献金だ。(改正法で)全く触れないのは改革の名に値しない」と禁止を求めた。日本維新の会の馬場伸幸代表も、企業・団体から自民への寄付が「限度を超えている」と指摘し、企業・団体によるパーティー券購入で「しがらみが生まれるのは当然だ」と批判した。

 公明党の石井啓一代表は、改正法で検討項目とされた政治資金の監査を担う「第三者機関」が「改正の肝になる」と説明。法施行日の26年1月までに設置を目指す考えを示した。

 共産党の田村智子委員長は派閥裏金事件について「真相解明なしの政治改革はあり得ない」と批判し、企業・団体によるパーティー券購入の禁止も主張した。国民民主党の玉木雄一郎代表は裏金問題で自民が一部候補を非公認としたことについて「与党の姿勢が問われる。大半を公認している」と指摘。れいわ新選組の山本太郎代表も事件の真相究明を求めた。【源馬のぞみ、富美月】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。