衆議院選挙の公示が、15日に迫りました。27日の投開票に向けて、12日間の選挙戦に入ります。そんななか、この週末に裏金問題やくら替えにより、公認を得られなかった3人が相次いで立候補の辞退を表明しました。
■「こんなこと今までない」専門家が指摘
石破茂総理大臣「政治に対する批判。政治に対する不信。我々自由民主党は、謙虚に反省しなければならない」
「(私は)12回選挙やって、2回無所属でやりました。公認がないことが、どんなにつらいかも分かっています。(比例)重複立候補ができないことが、どんなにつらいかも分かっています」 裏金議員への非公認を巡り、13日も理解を求めた石破総理。野党は「裏金隠し解散だ」などと、公認問題への追及を強めます。
政治ジャーナリストの田崎史郎氏はこう指摘します。
田崎氏「公示直前になって、まだこんなことやっているのは、これまでなかったこと。今回、“自民党の空白”が生ずるのは3つ。福島3区と東京9区と福岡9区」
田崎氏が注目する3つの選挙区では、公認を巡る人間模様がありました。
■福島3区 衆院選の公示直前「厳しい判断」
自民党 前職 菅家一郎氏(69)「『裏金議員』としての厳しい判断がなされており、総選挙に出馬しない決意をした」
出馬しないと明らかにした、自民党の菅家氏。菅家氏は裏金問題を巡って、党から「6カ月の党の役職停止処分」を受け非公認になりました。
当初は福島3区から無所属でも立候補する考えでしたが、一転して12日に出馬を断念しました。 菅家氏「まあ…ある意味では、本当に残念な結果だ」 これを受けて、自民党・前職の上杉謙太郎氏(49)が出馬を表明していて、立憲民主党・前職の小熊慎司氏(56)、共産党・新人の唐橋則男氏(63)の3人が立候補を予定しています。
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■東京9区 自民復党・菅原氏が無所属で立候補へ■東京9区 自民復党・菅原氏が無所属で立候補へ
さらに、東京9区で党の非公認を受けて出馬を見送ったのは、前職の今村洋史氏(62)です。 今村氏のXから「出馬すると言ったものをひるがえした浅はかさは、本当に重ねておわびするしか申し訳ございません」 同じ選挙区で出馬をうかがっていたのが、菅原一秀氏(62)です。 菅原氏のXから
「自民党に復党致しましたが無所属の闘いです。過去を振り返り反省致し、原点に戻り最後まで精進を重ねてまいります」
菅原氏は2021年、香典などの趣旨で有権者に違法な寄付をした、公職選挙法違反の罪で略式起訴されました。最近、3年間の公民権停止期間が終わったところでした。
田崎氏「(自民党の)公認候補がいなくなり、堂々と(菅原氏が)立候補できる状況に」 東京9区では菅原氏を含め、立憲民主党・前職の山岸一生氏(43)、日本維新の会・新人の大河内茂太氏(53)の3人が立候補を予定しています。
一方で、公認に泣く議員は、裏金議員だけではありませんでした。
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■福岡9区 くら替え出馬が認められず涙■福岡9区 くら替え出馬が認められず涙
自民党 参議院議員 大家敏志氏(57)「自由民主党の公認を得られないことになった。もっとやり方があったかもしれんと…。自分自身に対する悔しさが一番にありました」
福岡9区の大家氏は現在、参議院議員。今回の選挙で衆議院への「鞍替え出馬」を目指していました。しかし、自民党はそれを認めず、非公認になりました。
田崎氏「任期中に参議院か衆議院、衆議院から参議院への移動は党本部が要請しない限りしないこと。(参議院で)自民党は過半数を持っていない。『参議院を続けてほしい』が、自民党本部の判断」 大家氏は出馬を断念することとなり、福岡9区では無所属・前職の緒方林太郎氏(51)、共産党・新人の山田博敏氏(62)、参政党・新人の山本直緒美氏(60)、無所属・新人の三原朝利氏(46)の4人が立候補を予定しています。
■野党チャンス到来も 共闘は?
この週末も、各党は選挙の準備を進めています。気になるのは、野党の間で候補者を調整するなどの「野党共闘」です。「進んでいない」とする見方もありますが…。
田崎氏「(1)野党が候補者調整できないこと。(2)共産党が候補者を多く立てること。自公過半数が達成できるなら、勝因はこの2つ(と自民党は分析)。野党共闘が進まないと、自民党と公明党を利することに」
(「グッド!モーニング」2024年10月14日放送分より)
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