いよいよ、15日公示となる衆議院議員選挙。
県内の小選挙区で唯一野党が議席を守っていた旧6区を引き継ぐ新たな5区では、前職2人に新人が加わる熾烈な前哨戦が始まっています。
衆議院が解散されたその日の夜…両手いっぱいに荷物を抱え新尾道駅に姿を現したのは、立憲民主党・前職の佐藤公治(さとう こうじ)氏(65)だ。
短期決戦に向けて意気込みを語った。
【立憲民主党・前職の佐藤公治】
「勝負に挑んでいって必ず勝つという思いで戻って参りました」
5区は、北は島根と県境の山間部から南は、愛媛との県境の島しょ部まで広がる県内では最も面積が広い選挙区だ。
【支援者「がんばりましょうよ」
【立憲民主党・前職の佐藤公治】「本当に頑張るから力を貸してください…」
県内の小選挙区で唯一野党として議席を死守してきた佐藤氏。
この日は庄原市で決起集会を開き、支援者を前に決意を語った。
【立憲民主党・前 佐藤公治】
「政治と社会は本質を見た時に不健全なことだらけ。この不健全な土台をどう変えるか、これが私のやるべきこと、それが政治改革です」
佐藤氏が熱弁をふるう中、応援に駆けつけたのは…政界を引退した今もなお絶大な影響力を持つ亀井静香氏だ。
姿が見えると、会場からは一際大きな拍手がおこる。
【亀井静香氏】
「公治さんはナイスガイ。こういう男を出さないでどうするんですか。本当に地域のためを考えている、国民のためを考えている政治集団を作るんだよ、地方で。
いいか、あんた今、大幹部なんだからその責任があるぞ」
佐藤氏と亀井氏の歴史は長い。
佐藤氏の父・守良氏の時代からライバル関係にあった2人。
全国から注目された郵政選挙など何度も戦いを繰り広げてきた。
しかし、亀井氏の自民党離党と佐藤氏の参議院への転身後は2人に協力関係が生まれる。
亀井氏が政界を引退すると佐藤氏は事実上の後継者に指名された。
今なお県北地域に残る”亀井票″は、佐藤氏の大きな後ろ盾となっている。
【立憲民主党・前 佐藤公治】
「力強い頼りになる方であり県北においては亀井先生の影響力というか、ある意味、信用・信頼度が高いことを実感しました」
【自民党・前 小島敏文氏】
「佐藤先生もそろそろ乳離れしなきゃ。1対1でやりたい」
亀井氏の支援を全面に受ける佐藤氏に皮肉を言うのは、小選挙区で5連敗中の自民党・前職の小島敏文(こじま としふみ)氏(74)だ。
これまで亀井氏に3回、佐藤氏に2回敗れ、小選挙区では一度も勝利していない。
過去4回の当選は全て比例での復活。
しかし今回は退路をたち小選挙区のみで選挙に臨む。
【自民党・前 小島敏文氏】
「今度はもう小選挙区1本じゃけえね、比例は出ないから。もう背水の陣ですよ。
負けりゃ終わり。世羅郡から国会議員は終わり」
地元・世羅町を中心に地道な活動を続ける小島氏。
連立を組む公明党の支援も受け、支持拡大を狙う。
13日、足を運んだ庄原市の祭りではー
【自民党・前 小島敏文氏】
「今、本当に政治が混沌としています。本当に心からお詫びを申し上げます。しっかり反省しなければ私は国民の方々からの信頼は得られないというふうに思っています」
「政治とカネ」をめぐり、自民党に厳しい目が向けられる中、選挙戦では有権者に寄り添った政策を訴える方針だ。
【自民党・前 小島敏文氏】
「俺が中山間地域を守っていかなきゃ誰が守る。ここにある資源を活用して強みをひっぱり出してできると思う」
【共産党・新 猪原真弓氏】
「猪原真弓です。どうぞお見知りおき下さい」
さらに、今回、佐藤氏と小島氏の戦いに共産党・新人の猪原真弓(いのはら まゆみ)氏(63)が割って入る。
【共産党・新 猪原真弓氏】
「自民党は誰がなっても一緒だから汚い雑巾で拭いてもきれいにはならない。猪原真弓でなければ広島5区はきれいにはならないと言わせてください」
野党の意地とプライドをかけて議席を死守したい佐藤氏に”背水の陣”で臨む小島氏。
さらに「反自民票」の受け皿になりたいと意気込む猪原氏も交えた、熾烈な戦いがすでに始まっている。
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