衆院選が15日公示され、12日間の論戦がスタートした。自民党派閥の裏金事件に関わった候補者は何を訴えるのか。与党に対抗する野党の主張は――。注目される主な選挙区の動きを追った。
「九州の玄関口」のJR博多駅があり、多くの企業が集積する福岡1区(福岡市博多区、東区)では、経済対策や物価高対策などが争点となる。野党共闘が不調に終わった結果、5選を目指す自民党前職の井上貴博氏(62)に対し、共産党新人の綿貫英彦氏(58)、日本維新の会前職の山本剛正氏(52)、立憲民主党新人の丸尾圭祐氏(42)ら野党系候補5人が乱立した。
井上氏は博多区内で「(経済対策などで)国民が何を求めているか肌感覚で分かるのは我々だ」と第一声。県議だった祖父や父から継いだ強固な地盤で支持固めを図る。
綿貫氏は「裏金や旧統一教会の問題にふたをする自民党に、腐敗した政治を正すことができないのは明らかだ」と批判。2021年の前回選挙では比例復活した山本氏は「政治改革を進める実行力のある政党はどこか見極めてほしい」と訴えた。丸尾氏は支持者らを前に「裏金隠し解散といわれるが、国民の生活と未来を決める大切な選挙だ」と気勢を上げた。
このほか、社民党新人の村田峻一氏(32)、参政党新人の緒方貴恵氏(40)が立候補を届け出た。【日向米華、田崎春菜、志村一也、栗栖由喜】
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