衆院選が15日公示され、27日の投開票に向けて12日間の選挙戦が本格的に始まった。沖縄の4選挙区に立候補した計16人は出発式などで、有権者に主要政策や公約をアピール。当選を目指し、選挙運動を支える支援者と気勢を上げた。自民の候補者は経済や沖縄振興、子育て支援などを強調。「オール沖縄」勢力や国政野党、無所属の候補者は政府の経済政策、自衛隊の「南西シフト」などを批判し、政権交代を訴えた。比例九州ブロックでは県内から2氏が比例単独で名簿登載。期日前投票は16日から各地で始まる。

 

【2区】

無償化で教育格差改善 下地幹郎氏

 沖縄の貧困問題を解決する。電気や水道、ガソリン、ガスの基本インフラを日本一安くするための施策を前に進める。教育格差を改善するため、教育無償化をやる。低所得の方にも公営住宅売却などで資産を持てるようにする。離島の交通コストも安くする。

 軟弱地盤の問題など暗礁に乗り上げている普天間飛行場の辺野古移設は2800メートル滑走路を有する国際空港建設案で解決する。国と沖縄県との間のパイプを取り戻す。「オール沖縄」は辺野古を止められなかった。自民党は沖縄振興予算を10年間で1000億円近く切った。大政党相手の桶狭間の戦いだが一緒に沖縄の政治を変えよう。

 

最低賃金1500円実現へ力 国場幸之助氏

 今回の総選挙の争点は経済、経済、経済、経済だ。今、生活を一番脅かしているのは物価高。それを上回る賃上げと、最低賃金1500円をいち早く確実に実現するため、経済支援を総合的にやっていく。

 那覇空港と西海岸の基地返還跡地の一体的な開発を目指す「ゲートウェイ2050」は素晴らしいプランだ。(統合計画で)東京ドーム220個分のフロンティア(未開拓地)が返ってくる。これだけの計画を構築できるのは、日本、アジアの中で沖縄にしかない。

 政治の信頼回復と同時に、今の国内外の難局を解決していく。沖縄を、日本を守れるのは自民党と公明党しかない。

 

日本人の主権取り戻す 和田知久氏

 参政党は未来の子どもたち、日本人を守りたいと訴え、誕生した。減税と積極財政による景気対策をする。

 「失われた30年」で日本だけが所得が上がっていない。貧乏になった日本人を立て直すため、選挙を戦っていきたい。

 名護市辺野古の新基地建設は計画の変更を求める。玉城デニー知事も反対しているが、基地・防衛は国政の問題だ。沖縄だけでやっていても国会は何も動かない。

 「オール沖縄」ではなく「オール日本人」で訴える。戦後70年以上続いた日本の属国化に加担しているのは国政与党だ。政権に「ノー」を言い、日本人の主権を取り戻して豊かな日本をつくる。

 

辺野古や軍事拡大阻止 赤嶺政賢氏

 辺野古新基地建設も自衛隊の配備強化も阻止する。自衛隊がミサイル部隊をどんどん沖縄本島や宮古、石垣、与那国の先島地域に強化し、日米共同訓練も日常茶飯事となっている。政府は住民を九州・山口へ避難させる考えだが、沖縄戦での疎開がどんな運命をたどったか。

 うるま市の陸自訓練場建設を阻止できた。うちなーのうまんちゅが団結して立ち上がろう。地位協定を抜本改定する。中小企業を支援し賃金を上げる。離島支援に力を入れ農業を守る。

 8期24年、沖縄の平和の心を代表し、国会で歴代総理と戦い、何度も追い詰めてきた。今度も国会に送り出し、働かせてください。

 

【2区】

第1次産業担い手守る 今野麻美氏

 参政党は食と健康をとても大事にしている。第1次産業に携わる人の生活を支え、国民、県民の命を守るため、第1次産業を大切にしていきたい。

 教育にも力を入れている。今の詰め込み教育では、子どもたちが何をしたいのか発見することができない。フリースクールを地方自治体で設立しやすい仕組みを作れるよう整えていきたい。日本の将来を考えられる子どもたちを増やし、そしてリーダーを育てていきたい。

 私たちは、日本の危機に気が付いたお父さん、お母さんが全国でボランティアで活動している政党。

 一緒に日本を良くしていきたい。

 

企業の生産性向上支援 宮崎政久氏

 沖縄の将来づくりを真剣にやらないといけない。子どもたちのために公約した公費による県内ホームステイは実現させた。これからも教育は私が沖縄のために尽くすべき大きな課題だ。一番大切なことは経済。物価上昇を上回る賃金の引き上げを実現する。生産性の向上を中心に企業支援をもっと強くする。具体的な経済政策を打ち、賃上げ促進税制も力強く進める。

 安全保障の問題は空想的な平和論を言っても県民の暮らし、命は守れない。自民党と公明党による現実的で具体的な政策が県民の命を守る。自民党には厳しい批判の風が吹いているが、政治改革に終わりはない。必ず勝ち上がってみせる。

 

国民や県民のため全力 赤嶺昇氏

 20年前、県議会議員初当選して間もなく、沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落した。結果的に日米地位協定は改定できておらず、非常に大きな問題だ。浦添市議2期と県議5期を務め、地位協定改定(を求める決議)を保革問わず何度も可決してきたが、かなうことはなかった。現首相が地位協定改定を明言した今、県民の心を一つにして地位協定を変える最大のチャンスだ。

 志半ばで急逝した前宜野湾市長や後継の現市長と同様に普天間飛行場の早期閉鎖、移転も政治家の責任。裏金問題があるが、沖縄では低所得や子どもの貧困など問題が山積している。保身ではなく、国民や県民のために全力を傾ける。

   

鬼門の2期目 議席守る 新垣邦男氏

 先日就任した石破総理は、就任前後で言うことが違う。こういう政治をやっていると、この国は駄目になる。政権を変えなければならない。

 米軍基地を抱え、水質汚染問題など市民の命がかかる2区に、このことを顧みない自公政権に来られては駄目だ。照屋寛徳先生が守ってきた議席を引き継いで、1期頑張ってきた。2期目は鬼門とも言われるが、勝って議席を守る。

 今年発覚した少女暴行事件でも伊波洋一参院議員らと協力し国会で追及した。今回の選挙も勝って、県民の声を国政に届ける。ウチナーンチュの未来はウチナーンチュが決める思いで、12日間の選挙戦を戦う。

 

コロナワクチン接種中止を訴え 比嘉隆氏

 沖縄2区から立候補した会社代表で無所属の比嘉隆氏(47)は15日、宜野湾市内で第一声を上げた。特定のタイプの新型コロナウイルスワクチンの接種を中止させるために立候補したと強調した。

 その上で、ワクチン後遺症対策省の創設や接種後に後遺症となった人への10万円支給などを公約に掲げ、「日本国民の命を守るため、私の命をかけて全力で取り組む」と意気込んだ。

 

【3区】

暮らし守る政治を実現 屋良朝博氏

 石破内閣は発足後8日間で衆議院を解散し、戦後最も短い解散になった。国民の記憶から裏金問題と旧統一教会をなくそうとする思惑が透けて見える選挙だ。

 今、物価高で生きることすら難しくなっている。赤ちゃんのミルクを薄めて哺乳瓶に入れているお母さんの新聞報道もあった。こんな貧困をつくる自民党と公明党の政治を変えないといけない。子ども支援策で児童手当を月1万5千円支給するなど、暮らしを守るための政治を実現したい。普天間の問題は辺野古のサンゴを壊さなくても解決方法はいくらでもある。日米地位協定の改定も取り組む。私が頑張って沖縄の民意を国会で訴える。

 

交通網整備 事業化図る 島尻安伊子氏

 沖縄振興を進めるために、また自公連立政権で仕事をさせていただかないといけないとの強い思いだ。池武当インターチェンジが事業化した。中部東道路もしっかりと事業化したい。(沖縄市での)バスターミナル構想では、名護市のバスタと連携をとり、交通の結節点をつくりたい。

 何よりもやはり、9年前から始めた沖縄の子どもの貧困対策事業をもっと総合的に頑張っていきたい。子どもの夢がかなう沖縄をつくる。この思いを胸に秘めて、皆さんと一緒に走っていきたいと考えている。

 石破総理が誕生した。倍増するという地方創生予算を絶対にこの沖縄第3選挙区に持ってくる。

 

1次産業従事者増やす 新城司氏

 先祖が残してくれた沖縄を守りたいとの強い思いに駆られ、立候補を決めた。

 まずは、第1次産業を守り、強くする政策に力を入れたい。日本の食料自給率はカロリー基準で38%しかなく、外国からの輸入に依存している状況だ。農業や漁業の第1次産業従事者を増やすために、自然災害時の補填(ほてん)や補償を手厚く支援する。

 今の日本経済は一部の企業だけがもうかって、地域にお金が落ちない「血が通っていない」状態。積極財政と減税を進めたい。子育て政策では、党が掲げる、子ども1人当たり月10万円の給付を実現させる。

 先祖が守ってきた良き日本を今こそ取り戻そう。

 

【4区】

政権交代し政治変える 金城徹氏

 政治の使命は三つある。苦しい思いをしている方々に手を差し伸べること、地域社会を豊かにすること、そして平和な社会の構築だ。

 最近の物価高で多くの皆さまが苦しい思いをしている。政治の怠慢だ。一方で、社会のルールを作る国会議員が裏金を受け取って個人的に使ったりもしている。当たり前のことができていない今の政治を変えなければならない。問題解決には政権交代しかない。

 故翁長雄志知事は「辺野古に無条件で基地を造らせるのは、今の子どもたちやこれから生まれてくる子どもたちに大変すまないことだ」と言っていた。この言葉を若い方々にぜひ聞いていただきたい。

 

所得ワーストから脱却 山川泰博氏

 前回の衆院選以降、地元に戻って3年間こつこつと活動を続けてきた。この12日間で結果を出したい。

 52年も沖縄振興計画を続けたが、県民所得、貧困率は全国ワースト。生活を良くするには減税しかない。維新は消費税や法人税の減税、社会保険料の減額などの国民負担軽減法案を国会に提出したが、自民公明の反対で実現していない。増税をしてばらまく政治ではなく減税が必要だ。

 維新は大阪で保育から大学まで教育無償化を実現している。大阪の設計図を参考に沖縄にふさわしい教育無償化を必ず実現する。全国ワーストを脱却し、ナンバーワンを目指して国政で働くことを約束する。

 

「食」守り農業振興に力 西銘恒三郎氏

 自民党が政治と金の問題で、ご迷惑をおかけしていることを心からおわび申し上げたい。信頼なくして政治はない。

 安全保障環境はこれまでになく複雑で厳しい。日米同盟を基軸に、価値観を共有する国々と連携しながら、平和を守り抜く。人間は三食食べなければならない。技術の進歩は認めるが、食料の安全保障という視点も大事だ。加工を含む農業振興に力を入れる。

 中央と地方が対立するのではなく、どの地域で暮らしても子育て、教育、高齢者福祉のサービスが変わりなく受けられるようにしたい。1次産業従事者や保育士などの所得を上げ、民間の投資環境も整備したい。

 

消費税廃止で経済活況 山川仁氏

 国民が苦しい立場にある以上、消費税廃止を求めていく。経済が底上げされるまで春夏秋冬の給付金を届けたい。経済を1丁目1番地に、県民の生活に重点を置いて訴えていく。結果の出せない政治に、「ノー」と言う行動を示していただきたい。

 防衛力増強の問題もある。離島の皆さまに不安な生活を押し付け、何が国民のための政治か。南西シフト、ミサイル配備には、一切妥協せず反対していく。

 自衛隊に対しては、防災の観点から国民をしっかり守れるような災害に強い国造りを進めていく。地域でうかがったことを答えにして提案していく。沖縄からチェンジ、変えていこう。

 

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