衆議院選挙は、16日から期日前投票が始まりました。
今年、地震と豪雨という2つの災害に見舞われた石川県能登地方では、復旧作業に追われながらの“異例の選挙”となっています。輪島市役所に設けられた投票所。初日から想いを込めた1票が投じられていました。
市民(31)
「とりあえず、できるだけ早く。元の形とは言いませんけど、住みやすくなってくれれば」
市民(72)
「本当に、今後、こういう災害が起きても、命がきちんと守られるような政治をしてほしい」
市民(82)
「ここは、ふるさとですから、ふるさとの皆さんの喜ぶ顔を一日も早く見たい。ぜひ、また力を貸してほしい」
輪島市選管事務局・坂本修さん
「これまで選挙、何回か経験していますが、違う部分が、多々、ありますので、その面ではちょっと苦慮しているところはあります」
職員は、この3連休も休む間がありませんでした。ただ、それでも万全とはいきません。
輪島市選管事務局・坂本修さん
「地震および豪雨災害によりまして、道路状況が非常に悪くなっている。今回、やむを得ず、移動期日前投票車については運行しない。すべての有権者の対応というのは、難しいと思っております」
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■移動手段なく…投票断念も橋本孝子さん(84)の家の裏手には、豪雨で押し寄せた土砂が、いまも残っています。
橋本孝子さん
「投票どころでない、みんな困っとる」
前回の衆院選では、輪島市全体で400人近くが利用した移動式の期日前投票所。橋本さんが住む場所にも来ていました。
橋本孝子さん
「『ここに投票車は来ない』と言うから、ほんならやめたわって。地震やら大水に、みんな困っているのに、足を運んで(投票所)行って投票するかいね。よっぽど若い人ならいいけど、年いった人はほとんどそやろ」
2次避難している人はどうすればいいのか。
わかっているだけでも79人が、市外に避難を続けています。
橋本香代子さんも、地震と豪雨の二重被災で、輪島市から車で1時間以上離れた、七尾市へと移ることを決めました。
市外に避難している人が期日前投票をするためには、同じ選挙区であっても、市内にまで出向く必要があります。どうしても行けない人は、郵送を利用した“不在者投票”もありますが、時間と手間がかかります。橋本香代子さん
「1時間圏内なので選挙に行けるけど、もし、3時間かかかる距離なら大変。行けない人も出てくるでしょうし、『この時期に選挙か』って言う人もたくさんいる。でもいま考えないと、選ばないと、復旧復興は成り立たないし、今だから(選挙に)行かなきゃいけないかな」
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