◆野党と与党の一角の公明は「廃止」主張
「使い道を全く明かすことのない既得権益を自民党は手放さない」。国民民主党の玉木雄一郎代表は15日に神戸市内で行った第一声で、政策活動費を巡る自民党の対応を批判した。 政策活動費は使途を明らかにする義務がなく、全容が見えない「ブラックボックス」と問題視されてきた。自民は2022年、党幹部15人に計14億円超を支出したが、最終的に何に使ったかは「党に代わって党勢拡大や政策立案、調査研究を行うため」としか説明せず、実態は闇の中だ。 野党は「パーティー券の裏金よりもたちが悪い」(日本維新の会の馬場伸幸代表)として、公約でそろって廃止を主張。連立与党の公明も「何億という金を受け取っても使い道を報告しなくていいのはあんまりだ」(石井啓一代表)と野党と歩調を合わせる。 9月の総裁選では廃止を主張する候補が相次ぎ、年間10億円近くを受け取っていた茂木敏充前幹事長までが「廃止できる」と明言していた。総裁選後は党内で「使途を明かせない金はある」との声が幅を利かせ、見直しへの動きは鈍い。◆「使う」→「使わない」→支出否定せず
さらに野党の批判を招いているのは、衆院選での政策活動費の使用を巡る首相の発言のぶれだ。首相は9日の党首討論では、衆院選で使うかどうかを問われて「使うことはある」と繰り返していた。 しかし、公示前の13日のテレビ出演で「選挙で使うことはしない」と態度を一変。その一方で「組織強化や政策周知はしていかないといけない」として、選挙中に政策活動費を使うことは今も否定していない。 前回の2021年衆院選の際、当時の甘利明幹事長が10月の1カ月間で3億8000万円もの支出を受けた。森山裕幹事長は14日に記者団から既に政策活動費の支出を受けたかを問われ「よく調べてみないと私も分からない」と言葉を濁した。 立憲民主党の野田佳彦代表は「『選挙に使わない』と言っても使途を公開しなくて良いから証明できない」と首相の姿勢に疑問を呈している。 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。