衆院選秋田3区は、前職と元職、新人2人の合わせて4人が立候補し、論戦を展開している。各候補者の選挙戦を追った。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 共産・新 藤田和久氏(75):
「軍拡や大企業へお金が回るために、国民の暮らしや福祉・教育には予算が回らない。こういう大企業応援政治、これを切り替える政治にしなくてはならないと思います」

共産党の新人・藤田和久氏は、大仙市議会議員を務めた経験を持つ。藤田氏が今回の選挙戦で多くの時間を使うのが街頭演説。「自民党政治からの脱却」を訴える。

 藤田和久氏:
「街頭宣伝でたまに2、3人出てきてくれて、声をかけてくれる。『もっと自民党を批判してもらいたい』という人が3人もいた。それだけ自民党におきゅうを据えてほしいという声があることが分かりました」

藤田氏が心がけているのは、日々生活する中での経験を有権者に伝えることだ。

 藤田和久氏:
「金融緩和策でゼロ金利にして、いま円安です。円安になったら輸入品が物価高になりました。国民生活大変です。それに輪をかけているのが消費税です。国民が苦しんでいるのに、経済対策、何もしてくれません。これが経済無策です」

藤田氏は、街頭から訴え続けることで支持拡大を図る。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 立憲・新 小川幾代氏(39):
「やる気や勇気や挑戦がかなう社会になれば、地方から声を上げれば、地域が明るくなる、地域の活性化がされていくと考えています」

立憲民主党の新人・小川幾代氏は、由利本荘市議を辞職して今回の選挙に挑んでいる。

小川氏は県内選挙区で唯一の女性候補。「古い政治から脱却する」と訴え、女性や若い世代を中心に支持を呼びかける。

 有権者(女性):
「頑張って、頑張って。子どもたちのために頑張って」

 小川幾代氏:
「背広を着た男性陣ばかりだった政治の社会に、新しい女性の風を吹かせたい」

小川氏が力を入れていることの一つがSNSなどでの活動。若い世代に政治に興味を持ってもらうのが狙いだ。小川氏は手応えを力に変え、戦い抜く。

 小川幾代氏:
「若い人たちからの反応がすごく良いなという感触がある。そしてその声は『今の政治変えてほしい』というお願い。切実なる気持ちが直接私の方に届いているので、ありがたいと思うのと、この政治変えようという気合に変わっていっています」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 国民・元 村岡敏英氏(64):
「結果が出せない。本当に申し訳ない。じくじたる思いがあります。ただ私には大きな財産ができました。秋田県全域の人たちの話を聞き、語り合いました」

国政返り咲きを目指す国民民主党の村岡敏英氏。党の手厚い支援を受けながら、くまなく選挙カーを走らせる。

公示日には、党の榛葉賀津也幹事長が駆け付けた。

 国民・榛葉賀津也幹事長:
「この選挙、最も大事な選挙区はどこか、この秋田3区であります」

翌日には、玉木雄一郎代表が応援に駆け付けた。

 国民・玉木雄一郎代表:
「農政・農業の現場の声をしっかり分かった人、私は村岡氏とかつて一緒に働いていたので分かっているので、農業者の声をしっかり国政に届けてもらいたい」

村岡氏が強く訴えるのは、自然エネルギーの可能性だ。

 村岡敏英氏:
「秋田は地熱、太陽光、風力、洋上風力、全国でナンバーワンの自然再生エネルギーを生み出すことができます。エネルギーあるところに新たな産業が生まれる」

人口減少と少子高齢化を秋田の課題に挙げる村岡氏。さまざまな政策を訴えながら無党派層の取り込みを狙う。

 村岡敏英氏:
「例えば教育の環境やがんセンターなどを総合的に進めることで、秋田は必ず変われるということを訴えていきたい」

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 自民・前 御法川信英氏(60)
「本当に一から出直すつもりでやらなくては、自民党はもちろん駄目になってしまうし、ひいては国が駄目になってしまう」

自民党の前職・御法川信英氏。党のほか、支援企業や団体の協力を得て選挙戦を展開している。

前半戦では、党の組織運動本部長・小渕優子氏とともに支持を訴えた。

 自民・小渕優子組織運動本部長:
「私の敬愛する大好きな御法川先生が、この地元で本当に苦しい厳しい戦いをしている。御法川さんなくして国会は回らない」

選挙の最大の争点は「政治の信頼回復」と話す御法川氏。強い覚悟で選挙戦に臨んでいる。遊説では、地域の実情に合った政策を訴える。

 御法川信英氏:
「洋上風力、これは国家政策としてやっていかなければならない。しかし、このことは地場の皆さんの漁業に大きな大きな影響を与えます。スピード感をもって、私必ず取り組ませていただきたい。あの豪雨でしたから、激甚災害指定というのを数週間後に、これは極めて早かったと思います。日本の農業を永続できるために、何をしなければいけないのか」

イベントでは高校生と意見を交わす場面が見られた。

 御法川氏:
「完全無農薬、いいと思う。だけどやっぱり農薬使うのと全然違うか?」

 農業高校生:
「はい、虫とか草とか多いので」

御法川氏はさまざまな声に耳を傾けながら、あらゆる世代で支持拡大を狙う。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。