◆再起目指す元職「元旦から休まず早朝の駅前に立ってきた」
17日の昼下がり。西武池袋線の石神井公園駅前での街頭演説で、菅原は「人生の全てをかけて戦います。どうか最後までお力をください」と声を張り上げた。聴衆は数百人。区議と都議、衆院6期を経て、支持層を積み上げてきた。総裁選で決選投票に進んだ高市早苗も応援に駆けつけ「経済をよく分かっておられる。豊富な知識と経験をもって、必ず皆さまのお役に立つ」と持ち上げた。 菅原は取材に「初心に戻って地域の声を聞こうと3年間、元旦から休むことなく、早朝の駅前に立って訴えを続けてきた」という。自民の公認見込みだった元職今村洋史(ひろふみ)は裏金事件に絡み、公認を受けられず、公示2日前の13日に出馬断念を発表。一方で菅原は9日、自民への復党を認められ、公示後には自公の推薦が決まった。街頭演説に集まった多くの人たち=17日、東京都練馬区で(中村千春撮影)
「直前まで今村をやるって言っていたのに、という声もあった」と明かす自民区議。「今村さんでは勝ち目がないということだ。ただ、もう少し早く一本化していれば、もっと準備できたのに」と嘆きながら、菅原の支援に走る。都連関係者からは「個人的には、本部のやり方はどうかとも思う」という本音が漏れる。◆「政治とカネが争点の選挙で、自民は事件を起こした人を…」
無所属ながら事実上の自民候補といえる菅原に、2期目をうかがう立民の山岸は厳しい目を向ける。 「政治とカネが争点の選挙で、自民は事件を起こした人を(事実上)擁立してきた。まさに反省がない」。15日、石神井公園駅前での出陣式で指弾した。 山岸は取材に「物価高で生活は苦しいのに、政治はどこを向いているのか。これまで自民に投票していたであろう穏健保守の人たちからも『頼むから何とかして』『変えてくれ』という声を受ける。負けるわけにいかない」と力を込める。 共産党は候補を立てず、野党が共闘する選挙区の一つ。自民に議席を奪還させられないという思惑も見て取れる。 自民を支持してきたという60代男性は、公示前後に候補の非公認や復党、推薦などが相次いだことに「区民は置き去りにされた」と冷ややかだ。「当選者には聞こえの良いことを言うだけでなく、本当に国民の暮らしを改善する政治をしてもらいたい」と願った。 維新から出馬したのは元兵庫県宝塚市議の大河内茂太。「今、政治を正さなければ、日本は良くなりません」。15日、西武池袋線の保谷駅前でマイクを握り、消費税の減税などを訴えた。他にみんなでつくる党の党首、大津綾香も立候補している。(敬称略、浜崎陽介)東京9区 練馬区の中西部。西武池袋線と新宿線が通り、大泉学園や石神井公園など乗降客数の多い駅がある。ベッドタウンとなっていて、子育て世帯が多い。今回の衆院選での区割り変更で、光が丘、高松、貫井など笹目通りの東側の大部分が、旧10区だった地域と共に新設の28区となった。選挙人名簿登録者数は30万8563人(14日現在)で、都内30選挙区の中では最も人数が少ない。
◆東京9区 立候補者(届け出順)山岸 一生 43 立民 前①
菅原 一秀 62 無所属 元⑥
大河内茂太 53 維新 新
大津 綾香 31 みんな 新
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