シリーズでお伝えしている衆議院議員選挙「宮城の選択」。最終日の10月25日は宮城1区の選挙戦についてお伝えします。区割り変更で、前回は3区だった太白区秋保地区が含まれ、青葉区と太白区の全域からなる選挙区です。仙台市中心部は無党派層が多く、その動向が勝敗の鍵を握るとも言われています。立候補したのは3人。前回の衆院選でも激しく競り合った前職2人に対し、新人1人が挑む構図となっています。
広瀬川の河川敷に集まった地域住民。定期的にごみ拾い活動を行っています。
岡本章子氏(立憲・前)
「残念ながらタバコもありますね、危ないですね」
岩沼市出身で立憲民主党の前職、岡本章子氏(60)です。こうした活動を通して地域や社会の抱える問題や変化を肌で感じ取り、議員としての活動に生かしてきたといいます。
岡本章子氏(立憲・前)
「デフレが厳しかった頃はあそこにもホームレスの方がいて、雨風しのいでいる方もいらっしゃいましたね。仙台市にホームレスの方の自立支援の居所もできたんですが、それを作るときも当時市議会議員だったので」
仙台市議5期を経て、2017年から衆議院議員を2期務めてきました。しかし、衆院選は2回とも小選挙区で敗れ、比例復活の当選。前回の衆院選では5315票差まで迫りました。
有権者を見つければ自ら駆け寄り、対話を重ねてきた今回の選挙戦。
岡本章子氏(立憲・前)
「前回の3倍も10倍も人に接しましょうという選挙をさせてもらっています」
SNSで短編動画をこまめに発信し、市議時代から一貫して訴えてきた子育て支援策などを発信。若年層や無党派層の関心を呼び込み、政権交代を訴えます。
岡本章子氏(立憲・前)
「政権交代こそ、最大の政治改革。この宮城・仙台から私の選挙戦を通じて政治の流れを変えていきたい。地域が輝く国へ、そして子ども・若者にチャンスがある未来へ」
高橋浩司氏(維新・新)
「教訓をいろいろ学ばせてくれるマンガが『キングダム』で大好きなんです。自分のことを駆り立てるものがありますね」
人気歴史マンガから刺激やヒントをもらいながら、初めての国政選挙に挑戦しているのが、日本維新の会の高橋浩司氏(61)です。
高橋浩司氏(維新・新)
「利権政治はきっぱりと終わりにして税金は納めた方に直接戻す。この市民政治を取り戻す戦いが今回の衆議院選挙なんです」
生まれ育った神奈川県で鎌倉市議を7期28年務めた高橋氏。日本の政治改革を成し遂げ、世界平和につなげたいという夢をかなえるため、日本維新の会の候補者公募に応募。候補者調整の結果、宮城1区での挑戦が決まり、長年住んだ家を売り払い、不退転の覚悟で仙台にやってきました。
SNSの更新など、家族一丸で61歳の戦いを支えています。
高橋氏の息子・魁さん
「父と母の年齢なども考えて最後のチャレンジということでびっくりはしましたが応援はしようと」
高橋氏の妻・洋子さん
「帰るところはもうないので、この仙台に骨をうずめるつもりで皆さまのお役に立ちたいという思いだけ」
特定の大きな支援団体もないため、街頭で直接市民に訴え、自民でも立憲でもない、しがらみのない「第3の選択肢」をアピール。経済成長と格差解消を図る減税政策や政治改革を強調します。
高橋浩司氏(維新・新)
「この古い政治・利権政治をきっぱりと終わらせない限り、日本の将来はない」
青葉区の「定義さん」名物・三角油揚げを頬張るのは、自民党の前職・土井亨氏(66)です。富谷市出身で、県議を経て2005年に衆院選で初当選。その頃から、この地域の人たちに支えられてきました。そんな「第二の古里」で、公示から5日目にマイクを握った土井氏。涙を拭く場面もありました。
土井亨氏(自民・前)
「…劣勢の中での選挙戦となりました」
いわゆる「裏金問題」などで、自民党に吹く逆風を痛いほど感じながらの戦い。また、自身の旧統一協会との関与がおととし報じられてから、初めての選挙戦です。
土井亨氏(自民・前)(Q旧統一協会の問題でも指摘あったと思うが)
「全く私は(関係を)断っていますので、それは皆さんに堂々とお話できる。そういった現状ですし、これからもしっかりと関係は断っていきたい」
「与党の国会議員だからしっかりできる。土井亨でございます」
国土交通副大臣や復興副大臣を務め、道路整備などで国と地方の橋渡し役となってきたことをアピール。自らの実績をあまり強調してこなかったこれまでとは違い、必死さを前面に押し出した戦いぶりを見せています。
総裁選で推薦した高市早苗氏の応援も受けながら、経済の立て直しなどを重点政策に掲げ、支持を呼びかけました。
土井亨氏(自民・前)
「自民党はぶっ壊れながらも新しい政党に生まれ変わることが一番大切なので、ぜひぶっ壊したい」
雪辱か、刷新か、継続か。無党派層が多いとされる都市部を含む1区の有権者の選択は。衆院選はいよいよ2日後、投開票を迎えます。
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