全国唯一の衆参ダブル選挙は投開票が10月27日に迫りました。
与野党が火花を散らす衆院選の岩手1区の戦いは、自民・立憲・共産の三つどもえとなりました。

県庁所在地の盛岡市・紫波町・矢巾町の3つの市と町からなる岩手1区。

立候補しているのは届け出順に、自民党の新人で元県議の米内紘正候補(37)、立憲民主党の前の議員・階猛候補(58)、共産党の新人・吉田恭子候補(43)の3人です。

自民・新 米内紘正候補(37)
「政治を変えるため自民党を中から変えるため、岩手のため日本のために、最後まで全身全霊で走り抜いていく」

米内さんは東京都出身の37歳で米内光政元総理のひ孫です。
国会議員の秘書などを経て2019年から1期4年県議を務めました。公明党の推薦を受け初の国政選挙に挑みます。

選挙戦では早朝からの辻立ちに加え1日40回を目標に街頭演説をこなします。
県議として県内各地で活動してきた経験を生かそうと草の根の戦術を展開しています。

自民・新 米内紘正候補(37)
「県議会議員としても全県くまなく回ってきたし、岩手から出る国会議員として地域の課題解決をしっかり訴えていく」

終盤戦は票の底上げに向けて党本部からの応援もありました。
25日の個人演説会には上川陽子前外務大臣が駆け付け、若い力に期待を寄せました。

自民 上川陽子前外務相
「(米内候補の)政策を拝見させていただいて、この人(米内候補)がこれから日本の政治を引っ張っていただく、大きな一歩を刻む大事な選挙である」

岩手で暮らし見えてきたのは地方と都市の格差。
賃金の引き上げや地場企業の活性化、子育て環境の充実などを公約に掲げ、都市中心の政治のあり方を変えようと呼びかけます。

自民・新 米内紘正候補(37)
「今政策は東京中心、都市型の価値観で国の政策がつくられている。このままでは人も物も金も全部東京に吸い取られてしまう」

広瀬めぐみ前参議院議員の一連の不祥事、派閥の裏金問題で厳しい目が向けられるなか信頼の確保にも全力を尽くします。

立憲・前 階猛候補(58)
「信なくば変えよう。私は皆さんと共に政権交代でもう一度信頼を取り戻す」

立憲民主党の階猛候補は盛岡市出身の58歳。
銀行への勤務などを経て2007年に衆議院選挙に初当選し連続で6期務めています。

前回の衆院選では政治資金をめぐる問題で県連と対立するなか孤軍奮闘で勝利をつかみました。

現在も県連には所属していないものの話し合いなどを経て関係は修復に向かっているといいます。

立憲・前 階猛候補(58)
「ほとんど全て逆風でやってきた。色々な経験を経る中で鍛えられてきたので、今までよりは良い状況で戦えている」

盛岡・紫波・矢巾の連合後援会を軸に支持を拡大する階候補。
23日の街頭演説では党が9月示した「次の内閣」の一員である杉尾秀哉参議院議員がマイクを握り強力に後押ししました。

立憲 杉尾秀哉参院議員
「民法改正。このときも階さんが中心になって改正案をまとめた。我々にとってまさに宝のような人物です」

階候補も党の「ネクスト財務金融大臣」として経済対策を重視。若者の正規雇用促進や中小企業事業主の社会保険料負担の軽減、生活を支えるエッセンシャルワーカーの処遇改善を訴えます。

立憲・前 階猛候補(58)
「医療や介護や福祉、生きていくのに欠かせないエッセンシャルサービス、私たちはこの声をしっかり支え待遇を改善していく」

1区の候補者では最年長、議員生活17年のプライドを懸け7期目を目指します。

共産・新 吉田恭子候補(43)
「金権腐敗政治を一掃し、暮らし・命を守る政治を」

共産党の新人・吉田恭子候補は紫波町出身の43歳。
現在、党県委員会の副委員長を務めています。

衆院選には過去4回立候補していて今回が5度目の挑戦です。
比例重複での立候補のため地元を中心に全県を回っています。

自民党の「政治とカネ」をめぐる問題を厳しく批判し、政権交代・誠実な政治の実現を訴えてきました。

共産・新 吉田恭子候補(43)
「政策を聞いて『よかった』という風に話をしてくれる方もいるので、期待を寄せて激励してくださっているとすごく思っている」

1児の母として政治活動を続けてきた吉田候補。
最低賃金時給1500円以上の実現や労働時間の短縮、大学の学費減額などを公約に掲げています。

共産・新 吉田恭子候補(43)
「長時間過密労働がまん延しています。過労死さえ生むこの長時間労働の実態、絶対に変えなくてはなりません」

中盤戦の10月20日には党のトップである田村智子委員長が応援に駆け付けました。

共産 田村智子委員長
「平和と自由、ただひたすらに求めて歩み続けているのが日本共産党という政党に他なりません」

今回の選挙戦では若い人も含めて有権者の期待をこれまで以上に感じているという吉田候補。

共産・新 吉田恭子候補(43)
「政治を変えるという点で大きなチャンスの選挙だと思って最後まで訴えたいと思っています」

国民の声が届く政治・暮らしを守る政治を実現するため最後まで駆け抜けます。

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