衆院選が27日に投開票される。自民党派閥の裏金事件を受けた「政治とカネ」への対応が最大の争点となるが、対応の遅れが指摘された物価高対策や、防衛費大幅増などの外交・安全保障政策も問われる。東京新聞が選挙期間中に取り上げた5つの分野の公約を改めて紹介する。公約を見比べれば、各党の主張の違いが見えてくる。

①政治とカネ
②選択的夫婦別姓
③マイナンバー・マイナ保険証
④物価高対策
⑤外交・安全保障
▶選挙イヤーと裏金(東京新聞編集局長・中村清)



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◆選挙イヤーと裏金(東京新聞編集局長・中村清)

 国を挙げた大型選挙が、日本と米国で目前に迫りました。両国に限らず、今年は世界の各地で有権者が投票所に足を運んだ「選挙イヤー」の様相です。

編集局長・中村清(なかむら・きよし) 1966年、新潟県長岡市生まれ。同志社大卒業後、1989年に中日新聞社入社。名古屋社会部、ソウル支局などを経て2024年6月から現職。

 主な選挙の投票率を調べてみると、アジアでは1月の台湾総統選が71.9%、4月の韓国総選挙は67.0%でした。欧州では6月のフランス総選挙(第1回投票)が66.7%、保守党から労働党への14年ぶりの政権交代となった7月の英国総選挙は60.0%という結果です。いずれも6割に届いています。  一方で日本の衆院選の投票率は、2021年の前回選まで4回連続で50%台に低迷したまま。今回は解散から投票までの期間が短く、有権者にとっては慌ただしかったでしょう。派閥裏金事件への不信感から、棄権を検討している人もいるかもしれません。  投開票日を控え、私は自民党が1989年にまとめた「政治改革大綱」をあらためて読みました。前年に発覚したリクルート事件を受け、党議決定された文書です。大綱では「政治と金の問題は政治不信の最大の元凶である」と明記され、政治資金パーティーの自粛にも言及していました。  その6年後の1994年に実施された「平成の政治改革」では政治家個人への企業・団体献金を禁じただけでなく、政党に対しても「禁止することを確認」したはずでした。しかしその後、30年が過ぎた現在まで「確認」が放置され続けてきたことと今回の裏金事件は無関係ではありません。  自分の住む国の選挙に足を運ぶ。世界の投票状況を見渡すと、「世界市民」の1人として民主主義を体現する大切さを感じます。そして、日本で長くあいまいにされてきた「政治とカネ」の問題を今度こそ解決に向かわせる1票にもなる、と私は信じます。 ▶目次に戻る


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