テレビ局のインタビューに答える公明党の石井啓一代表(中央)=東京都新宿区で2024年10月27日午後11時39分、新宮巳美撮影

 公明党は、衆院選で候補者を擁立した大阪の4選挙区全てで議席を失うことが確実になった。

 大阪は支持母体の創価学会が「常勝関西」と呼ばれる強固な地盤を築いてきたが、公明候補が小選挙区で全敗するのは、旧民主党が政権交代を果たした2009年以来の事態になる。

 公明が大阪で議席を守ってきたのは3区と5区、6区、16区の計4選挙区。

 中でも3区は、昨年亡くなった池田大作名誉会長が域内の大阪市西成区に滞在し、布教活動で関西進出の足がかりを築いた「聖地」とされる特別な場所だ。1956年参院選では大阪で陣頭指揮を執り、学会推薦の候補を初めて国政に送り出した。

 3区は前職で党副代表の佐藤茂樹氏(65)、5区は前職の国重徹氏(49)、6区は前職の伊佐進一氏(49)、16区は参院からくら替えした新人の山本香苗氏(53)が立候補したが、全員の落選が確実になった。4人とも比例代表への重複立候補をしていない。

 公明と維新は国政で与野党に分かれるが、関西では維新が公明現職がいる大阪と兵庫の計6選挙区で擁立を見送り、協調路線を取ってきた。

 実現を目指した「大阪都構想」への協力を公明から引き出したかった維新と、関西での議席を守りたい公明の利害が一致していたからだ。

 しかし、都構想を巡る2度の住民投票は否決され、維新が昨春の統一地方選で大阪府と大阪市の両議会で初めて過半数を獲得すると関係が一転。維新は関西6選挙区への擁立を決定し、衆院選で初めて全面対決の構図だった。【藤河匠】

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