開票状況を受け、当選確実になった候補者の名札をかける日本維新の会の馬場伸幸代表(右)と吉村洋文共同代表=大阪市北区で2024年10月27日午後9時2分、長澤凜太郎撮影

 日本維新の会は衆院選で、大阪府内の全19選挙区に擁立した公認候補の全員が当選確実になった。

 府外の各地で苦戦を強いられる展開だったが、強固な地盤を築く本拠地では初の「完全制覇」になる見通しだ。

 維新は2021年の前回選、府内で擁立した15選挙区で全勝。今回は15選挙区に加え、長らく協調関係にあった公明党の前職らがいる4選挙区にも対抗馬の候補者を擁立。府内全19選挙区の独占を狙った。

 維新はこれまで看板政策だった「大阪都構想」の実現を目指し、公明から協力を引き出す見返りに公明が議席を守ってきた4選挙区への擁立を見送ってきた。

 しかし、都構想を巡る2度の住民投票は否決され、維新が昨春の統一地方選で大阪府と大阪市の両議会で初めて過半数を獲得すると関係が一転。今回は衆院選では初となる全面対決の構図だった。

 維新の母体は、14年前に橋下徹・元大阪市長や松井一郎・元大阪府知事らが創設した地域政党「大阪維新の会」だ。

 大阪維新は党勢を拡大し、今も大阪府市の首長ポストをおさえ、府市両議会では過半数を占めている。政令市の堺市も含めて府内の20自治体の首長を輩出し、多くの地方議員が所属する。

 ただ最近は、大阪府箕面市長選(8月)や府議補選(9月)での公認候補の敗北などが相次いだ。府内の「維新1強」に陰りが見え始めていたが、与党が自民党派閥の裏金事件をはじめとする「政治とカネ」問題の対応で批判にさらされる中、結果的に維新に票が流れたとの見方もある。【二村祐士朗、木島諒子】

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