27日投開票の衆院選で、親の地盤を受け継いで立候補した「世襲」の新人2人が小選挙区で敗北確実となった。一方、別の新人2人は初当選を確実とし、明暗が分かれたかたちだ。
和歌山2区では、二階俊博・自民党元幹事長(85)の三男伸康氏(46)の敗北が確実となった。
旧二階派を率いた俊博氏は3月、自民派閥の裏金事件を受けて政界引退を表明。伸康氏は、和歌山県内の選挙に強い影響力を持つ県町村会などの要請を受ける形で出馬していた。
だが、裏金事件で離党した旧安倍派の実力者、世耕弘成氏(61)が参院議員からくら替えして無所属で出馬し保守分裂選挙に。高い知名度を誇る世耕氏が当選確実となった。
伸康氏は支援者に対し「皆様のご期待にお応えできなかったことは、本当に申し訳なく、残念に思います」と陳謝。「私の思い、訴えが隅々まで届かなかった部分があると感じています」と選挙戦を振り返った。伸康氏は比例代表にも重複立候補している。
また、福島2区では、根本匠・元厚生労働相(73)の長男拓氏(38)の敗北が確実になっている。
匠氏の正式な引退表明は9月29日で、衆院解散の直前だった。自民福島県連は10月3日、拓氏を後継に決め、短期決戦に臨んでいた。この選挙区では、立憲民主党の玄葉光一郎元外相(60)が当選確実となった。拓氏は比例代表にも重複立候補している。
一方、茨城7区に立候補した中村喜四郎・元建設相の長男勇太(はやと)氏(38)=無所属▽東京16区に立候補した大西英男・元副国土交通相の次男洋平氏(46)=自民――はそれぞれ初当選を確実にした。【遠藤浩二】
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