東京24区では、自民の派閥裏金事件を受けて非公認となった無所属前職の萩生田光一氏(61)が、立憲新人の有田芳生氏(72)ら5人を破り、7選を確実にした。強い逆風を受けたが、「どぶ板選挙」に徹して激戦を制した。
当選が確実になると、萩生田氏は東京都八王子市の事務所で支援者とバンザイしたが、笑顔はなかった。「私自身の不祥事もあり、裸一貫で原点に戻ってやり直そうという思いだった」と選挙戦を振り返り、「残念ながら多くの同志が議席を失った。元々の原因は我々が作ったこともあり、そういった同志の思いも背負って頑張らないといけない」と語った。
経済産業相や党政調会長を歴任し、旧安倍派を支えた「5人衆」の一人でもあった萩生田氏。党の中枢を歩んできたが、今回は政治資金収支報告書の不記載の影響で非公認が決まり、「今までで一番厳しい選挙」(陣営幹部)となった。
選挙戦では連日、企業の朝礼回りや駅立ちをこなし、街頭演説ではおわびを繰り返した。有田氏を念頭に「批判のために来た野党候補は八王子の何を知っているのか。私は八王子の土になる。覚悟が違う」と強調。閣僚としての実績や地元への貢献を訴え、逆風をはねのけた。
有田氏は萩生田氏への「刺客」を宣言。裏金問題や、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と萩生田氏の関係を激しく批判したが、乱立した他の野党候補とも競合し、政権批判票を取り込みきれなかった。【野倉恵、加藤昌平、飯田憲】
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