防衛省は31日、同日午前7時11分ごろ、北朝鮮が同国内陸部から少なくとも1発の弾道ミサイルを北東方向に向けて発射したと発表した。午前8時36分ごろに北海道奥尻島の西側300キロメートル程度に位置する日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下すると推定した。
韓国軍合同参謀本部は31日、北朝鮮が同日午前7時10分頃、平壌一帯から日本海に向けて1発の弾道ミサイルを発射したと発表した。高い角度で発射する「ロフテッド軌道」で大陸間弾道ミサイル(ICBM)級の長距離弾道ミサイルを発射したと推定した。
防衛省が公表した北朝鮮による弾道ミサイル発射は、9月18日以来。石破茂政権が10月1日に発足してから弾道ミサイルへの対応をするのは初めてだ。
首相は31日午前、①情報収集・分析に全力を挙げ国民に迅速・的確な情報提供をすること②航空機、船舶の安全確認の徹底③不測の事態に備え万全の態勢をとること――の3点の指示を出した。
韓国国防省の情報部門、国防情報本部は30日、北朝鮮が核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射の準備を終えたとの見方を示した。11月5日の米大統領選の前後に断行する可能性があると表明した。
北朝鮮は米国や韓国に対する攻撃力を確保するため、ICBMや短距離弾道ミサイルの開発を進める。ICBMについては大気圏外から再び地上に戻る際の「再突入技術」の確立をめざしているとみられ、実験する可能性が取り沙汰されている。
韓国政府によると北朝鮮はロシアに1万人以上の兵を派遣している。近くウクライナとの戦闘に投入するとの観測がある。ロシアとの関係を一層強化し、自国の軍事力強化に生かす狙いがある。見返りとしてロシアからどんな技術供与を受けるかも焦点になっている。
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