11日、関西テレビ「newsランナー」に出演した国民民主党・玉木雄一郎代表。

橋下徹氏と「103万円の壁」や増税問題について、議論しました。

(Q:「103万円の壁」の話はあるが、将来的な税収確保や防衛増税は?)
【国民民主党 玉木雄一郎代表】「私は、将来的な税負担を上げていくことは否定をしませんが、われわれは政策の目標を明確にしておりまして、30年続いたデフレをとにかく抜けないと、その状況で増税しても結局税収が増えないんです。(この状況を抜けるのは)もうちょっとだと思います」

「物価上昇プラス 2パーセントの名目賃金上昇率が安定的に実現するまでは、積極財政や金融緩和をやっていこうということを言ってきたんですが、6・7月は実質プラスになったんですけど、8月はボーナスの影響を除いたらまだマイナス。ここをちょっと下支えして抜けていけば」

「『担税力』という言葉がありますけど、税を負担する能力を国民が持つことができれば、やっていけばいいと思いますが、今はあらゆる負担はすべきではないと思っています。もうちょっと待つべきです」

■「財源不足の声に負けないで」と橋下氏

【橋下徹氏】「いろんなところから財源不足だっていう声が出ますけれども、政府与党、何かあったら予備費で数兆円出したりとか、ガソリンの補助金で7兆円だ、電気代の補助金で合わせて11兆円だ、平気で自分たちのやりたいことにはどんどん金を出すんで、負けないでください。絶対に。1回チャレンジして、試してやってみて、だめだったら自分で責任取るぐらいの覚悟で1回チャレンジしてもらいたいなと思います」

【国民民主党 玉木雄一郎代表】「はい、負けないです」

【橋下徹氏】「あと社会保険料。130万円超えるといきなり手取りが下がるって言うんだけど、150万円まで収入増やせば手取りは元に戻るし、社会保険料も払える。130万円の壁って言うけど、みんなで150万円、160万円目指しましょうよという目標設定すれば、手取りが減らないから。今、メディア通じていろんな誤解が流れてるから、頑張ってほしいなと思うんです」

■『178万円』働くインセンティブ与え、負担と差し引きしても増えるように

【国民民主党 玉木雄一郎代表】「なぜ178万円って数字にしたかというと、そこまで働くインセンティブを与えれば150万を乗り越えてくる。社会保険料負担と税負担を差し引き合わせて、増えたらいい」

「社会保険負担は『壁』って言い方をやめたらいいのは、税は単に増えますけど、社会保険の負担は増えるんだけど、将来の厚生年金も増えるんです」

「セットで考えるためには150万円を超えて働くインセンティブを、税で与えていくってことになると、今言ってる『壁』の問題が、結構飛び越えて解決できる」

【橋下徹氏】「今払えば将来バックがあるという言い方をマクロでしてるんだけど、そこは丁寧に言わないと、60歳の方とかが加入期間5年とかだとね。払うのが13万円、返るのが3万円とか減る人がいるから。僕もメッセージの出し方は丁寧にしなきゃいけないと思っているんです」

【国民民主党 玉木雄一郎代表】「私たちも気を付けます。長生きすればするほど返ってくる。早く亡くなる方もいらっしゃるんで、それが保険制度ですけど、そこも含めて丁寧に説明することは大事だと思います」

■原発政策は「推進派も、廃止派も向き合わなきゃいけない問題」

(Q:原発政策はどう考えるか?)
【国民民主党 玉木雄一郎代表】「これまさに与野党で議論すべきだと思いますし、原発を推進する方も廃炉という方も、いずれにせよ向き合わなきゃいけない問題なんです。原発推進派だろうが、原発ゼロの方だろうが、与党だろうが、野党だろうがやっていかなきゃいけないということで、国が先導して、丁寧な合意形成を図っていくことが大事」

「もう1つは高速炉のような、同じ核のゴミがあっても減容化と言って、容積を小さくしたり、半減期を短くしたり、新しいイノベーションが必要なんですね。スタートアップの人にも入っていただいて、新しい技術で処理の技術も高度化していく。技術を開発していくことも、日本は止めてはダメだと思っています。われわれ原発の技術や教育、こういったことにも力を入れていきたいと思います」

(Q:維新には前原氏がいるが、政治的な協議はできるか?)
【国民民主党 玉木雄一郎代表】「はい。感情は政治の世界はもちろんあります。でも国益のためにはそれを置いといて、本当に必要なことは誰とでも、何とでも協力していきます」

ここまで国民民主党・玉木代表に伺いました。

■「政治の風景変わった」と橋下氏

【橋下徹氏】「政治の風景変わったじゃないですか。朝からずっと政策論。与野党が固定化していた55年体制が、与野党が流動化するとこうなるんですよ」

「こういう動きにおいて、政治家に一番大事な能力は、個別で飲み食いする関係とか、誰に電話をかけられるとか、誰とパイプがあるとか、そうじゃない。維新の馬場体制ではそういう政治家像に憧れがある人が、馬場執行部の中に何名かいた。維新も新しい体制になって、飲み食いの人間関係じゃない、政策論でやっていく。国民民主党と同じように維新もなっていかなければいけないと思います」

【共同通信社 編集委員 太田昌克さん】「今回、国民民主党がここまで伸びたというのは、やっぱり国民の悲鳴ですよ。政策のソリューションを出してくれと。これに応えなきゃいけない、玉木さんは。情理ももちろん政治には必要だと思いますが、道理と合理のある政策。風穴を開けられた今回の政治の風景の中で、実現していくことが、何より政治の信頼を回復することにつながると思います」

(関西テレビ「newsランナー」 2024年11月11日放送)

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