自民党と公明党が「少数与党」となって迎えた総理大臣指名選挙。 実に30年ぶりの決選投票で石破首相が選出され、「野党の協力を仰ぐ政権」が船出する。
■【動画で見る】石破総理でもなく野田代表でもない無効票『84票』にどよめく 衆院選で少数与党となった自民・公明厳しい船出
自民党と公明党が先月の衆院選挙で、「少数与党」となって迎えた総理大臣指名選挙。
事務総長:石破茂君221、野田佳彦君151、馬場伸幸君38、玉木雄一郎君28、山本太郎君9、田村智子君8…。
野党議員がそれぞれの代表に投票したため票が割れ、誰も過半数に達しなかったため、上位2人で実に30年ぶりの決選投票が行われた。
そして…
額賀福志郎 衆議院議長:投票中、決選投票を行うべき2人以外の氏名を記載したものが84票あります。これは当然無効であります。
石破総理でもなく、野田代表でもない票が84票にも上ったことが明かされ、本会議場からはどよめきが。
事務総長:石破茂君221、野田佳彦君160、他に無効84。
額賀福志郎 衆議院議長:決選投票の結果、石破茂君を内閣総理大臣に指名することに決まりました。
石破総理は1回目の投票から伸びず、221票のまま再選した。
■石破首相の政権運営「毎日が綱渡り」と重鎮議員
この記事の画像(3枚)これに先立ち、11日午前、衆院選で初当選した新人議員が一歩一歩を踏みしめるように国会内へ入った。
一方で、重鎮議員が「毎日が綱渡りになる」と表現しているのが、石破首相の政権運営だ。
石破茂首相:野党の皆さま方のご意見というものを、誠実に謙虚に承りながら、ご協力をお願いをした次第であります。
少数与党が政策を実現するためには、野党の協力が不可欠なため、石破総理は11日朝、非常に険しい表情で国民民主党の玉木代表との会談に臨んだ。
続けて、立憲民主党の野田代表とも会談するなど異例の対応を取っている。
苦しい状況が早くも浮き彫りとなった石破首相。
第二次石破政権は、11日夜、正式に発足する。
■戦後日本政治が未体験の選挙経てすぐ「与党が過半数割れ」
共同通信社 編集委員 太田昌克さん:戦後日本政治がこれからいよいよ未体験ゾーンに入っていくわけなんです。すなわち初めて選挙を経てすぐに与党が過半数割れした状態。まさに真の正念場。
公明党幹部に選挙の当日取材したんです。まだ開票が始まる前なんですけども、『惨敗となった自公の枠組みについても、総括が必要になる』という並々ならぬ危機感を、公明党の幹部が示していた。
そこで(10日に)斎藤新代表が言ったのが『けじめである』。すなわちこの政治とカネの問題、いつまで落とし前をつけずにダラダラやってんだと。自民党はしっかりしてくれと。 説明責任をもっと果たせと。これじゃ、国民は納得しないんだと。
そうしないと政策も前に進まない。野党の協力が必要だからです。けじめと与野党の熟議。これがキーですから、これから行われる石破首相の記者会見にも大いに注目したいと思います。
関西テレビ 加藤さゆり報道デスク:衆議院の常任委員会が17個ありますが、今回の議席数によって、このうちの7つの委員長ポスト、自民党だったものが野党に譲ることになりました。さらに憲法審査会といって、 憲法改正の話をするところも、立憲が取るような形になっていくので、これまでは数の論理で、強行採決なんてこともあったわけですけれども、そういったことはもうできません。しっかり議論を尽くさないといけない。与党にとっては思うように進まないこともあると思うので、注目して委員会も見ていきたいと思います。
石破首相は難しいかじ取りを迫られることになる。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年11月11日放送)
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