G20の首脳会議は、ブラジルのリオデジャネイロで日本の石破総理大臣など各国の首脳が出席して2日間の日程で行われました。
19日、閉幕にあたって議長国ブラジルのルーラ大統領が演説し、「これからも公正な世界と持続可能な地球を築いていこう」と述べてG20の結束を訴えました。
先だって発表された首脳宣言では、不平等が地球規模の課題の根底にあるとして、貧困や飢餓対策、それに気候変動対策に各国が資金を動員して取り組むことなどが盛り込まれました。
また国際貿易について去年のG20の宣言などで触れられた保護主義に反対するという文言は使わず、公正で開かれた多角的貿易体制を確保することが必要だと強調しています。
中東情勢についてはガザ地区とレバノンにおける包括的な停戦を支持することへの結束を表明したほか、ウクライナ情勢をめぐっては、「包括的で、公正かつ恒久的な平和を支持するイニシアチブを歓迎する」としています。
2国間交渉を重視するアメリカのトランプ次期大統領の就任を2か月後に控える中、議長国ブラジルは、貧困や気候変動対策を主要テーマに据えつつ、多国間主義を象徴するG20として各国に共通するメッセージを打ち出すことに注力した形です。
一方、アルゼンチンが宣言の一部の文言について同意しないと表明するなど、多国間で合意を形成する難しさも改めて浮き彫りになりました。
来年のG20は南アフリカで開催されます。
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