この中で石破総理大臣は、ペルーで、APEC=アジア太平洋経済協力会議にあわせてアメリカ、韓国、中国などと首脳会談を行ったことについて「率直に議論を行うとともに、個人的な関係を構築し深める機会にできた」と振り返りました。
このうち中国の習近平国家主席との会談については「かみ合った議論ができた。今後、首脳間を含むあらゆるレベルで頻繁に意思疎通と往来を図り、課題と懸案を減らし、協力と連携を増やしていくために中国側とともに取り組んでいく」と強調しました。
また、APECと、ブラジルでのG20=主要20か国の首脳会議の2つの会議を通じて法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の重要性を強調したと説明しました。
一方、G20で日本の防災対策の取り組みを各国と共有する考えを示したことに関連し「防災は国内で最優先課題と位置づける案件であり、各国や地域のぜい弱性の克服に貢献していく」と述べました。
そして、自身が「政治の師」と仰ぐ田中角栄・元総理大臣が50年前にブラジルを訪れ、サバンナとよく似た環境の「セラード」と呼ばれる地帯の共同開発に合意したことを紹介し「四半世紀をかけて不毛な大地を大豆の一大生産拠点に変えた。こうした努力が世界とわが国の平和と繁栄の基盤になる」と述べ、今後も新興国や途上国との関係構築を図る考えを示しました。
トランプ次期大統領との関係構築
石破総理大臣は記者会見でアメリカのトランプ次期大統領との関係構築について「対じするという考え方をとるのではなく、日米両国がともに協力することが日本の国益にもアメリカの国益にもなり、インド太平洋地域の平和と安定にも貢献するということをよく説明し、理解してもらう努力をしていきたい。次期政権がどのような政策を打ち出していくかをよく分析しながら、ともに協力できる関係の構築に努力したい」と述べました。
外交・安全保障政策の進め方
石破総理大臣は記者会見で、今後の外交・安全保障政策の進め方について問われ「先の衆議院選挙の結果を厳粛に受け止め、今後国会を含むさまざまな場で話し合いを深めていく。政府の外交・安全保障政策に理解を求め、外交力が十分に発揮されるよう努力していく」と述べました。
その上で「わが国を取り巻く安全保障環境はかつてないほど複雑で厳しく、日本を守り、地域の平和と安定を確保するため、外交力と防衛力の2つをバランスよく強化することが待ったなしの課題だ。現実的な国益を踏まえた外交により外交・安全保障の基軸である日米同盟のさらなる強化や同志国との連携強化に取り組む」と述べました。
多国間の連携について
石破総理大臣は記者会見で日米韓3か国や日米豪印4か国、それに日米両国にフィリピンも加えた3か国といった多国間の連携について「自由で開かれたインド太平洋というビジョンの実現と、法の支配に基づく国際秩序の堅持に向けて同志国間の連携を相乗的に深めていく。こうした観点からもアメリカの次期政権と緊密に意思疎通していく」と述べました。
政策活動費
石破総理大臣は記者会見で、党から議員に支給される「政策活動費」について「廃止を含めた白紙的な議論を行うよう自民党に指示しており、国民からの信頼の確保に資するよう早急に結論を得ていきたい」と述べました。
また政治資金をチェックする第三者機関に関して「プライバシーや秘密保護のために公開が困難な支出があった場合にその妥当性を中立的な立場から厳格に判断することが求められる。果たすべき役割や持つべき権限について議論を進めたい」と述べました。
さらに外国人によるパーティー券の購入の規制について「厳しい安全保障環境を踏まえ自民党でも率先して議論を進めてきた課題だ。規制の実効性を担保するための方策を含め現在、検討が進められており、適切に対応していくことが必要だ」と述べました。
【ノーカット動画】石破首相記者会見(28分08秒)
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