内堀福島県知事は11月20日、定例の記者会見で、衆院の2つの特別委員会が統合されたことについて「国会における意思決定を尊重するが、福島県知事として違和感を感じており、残念に思う」とした。
統合されたのは衆院の災害対策特別委員会(災害特)と、東日本大震災復興特別委員会(復興特)で、人件費などのコスト削減が背景のひとつになっている。
内堀知事はこれらの特別委員会について「復興関連法案等の審議が行われ、被災地の実情調査から国の復興政策への反映がなされるなど、福島県や被災地域の復興に多大な役割を果たしてきた」としたうえで、「福島県は今なお原子力災害に伴う困難な課題が山積している」と指摘。
復興の進捗に伴い新たな課題やニーズが生じているとして、引き続き、国が前面に立って、福島の復興に最後まで責任を果たしてほしい、と強調した。
また、震災と原発事故からの復興や住民の帰還を促進するための事業に活用される「福島再生加速化交付金」をめぐり、国の行政改革の一環として実施されている「秋のレビュー」において、有識者から対象地域などの見直しの意見が出たことについては、「率直にいうと、13年という歳月が経過をする中で、震災・原発事故の風化が進んでいると感じる」として、伊藤復興相に電話で今後の心配を伝えたとした。
伊藤復興相は11月19日の閣議後会見で「秋のレビューの指摘については受け止めるが、今後の対応については福島県ともよく相談をし、しっかり調整をしたうえで引き続き検討する」「心配をしないでもらいたい」と発言している。
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